100hit記念小説〜哀歌・龍の血と遺志〜

□episode8,かつての仲間たち
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前から近づいて来たのは、白衣を着た男性だった。







首から提げている名札には、彼の所属する科と名前が書いてあった。








マイクロフト「真希さんですね?初めまして。NYメディカルホスピタルのマイクロフトです。Dr.アサダとは一時同僚でした」




真希「初めまして、真希です。そしてこの子が生です」




マイクロフト「初めまして。よく顔を見せてくれるかな?」





生はおどおどすることなく顔を上げた。




マイクロフト「・・・よく龍に似ている。本当に残念だよ・・・」



そう言った彼の瞳からは、涙がこぼれていた。



しかし、まだ幼い生はその意味がわかっていなかった。



どうして目の前のおじさんは泣いているのか?



龍って誰なのか?



どうして自分にはお父さんがいないのか?



どうして時々お母さんが遠くを見るような悲しい顔をするのか?



まだ幼すぎる生は理解出来ないでいた。



だけど、大人の会話やまわりの様子から察するに、自分の父親がもうこの世にはいないこと。そしてかつて今いる病院にいたことはなんとなくわかっていた。



でも、それがあの亡き天才外科医朝田龍太郎であるということ、そしてまだ自分が産まれる前に死んでいたことはわからなかったが、のちに知ることとなる。







こうして、母子はアメリカで過ごすこととなった。
 

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