100hit記念小説〜哀歌・龍の血と遺志〜
□episode6,生まれる
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それから49日まで進んだ頃、ついに真希の陣痛が始まった。
初産だったため時間がかかったけど、分娩室に入ってから数時間後には新しい命が誕生した。
龍の血を継ぐとても元気な男の子だった。
母子共に健康で、立ち会った人たちは安堵の表情を見せる。
そして、産まれた男の子は生と名付けられた。
ただただ生きてほしいという思いを込めて・・・
蛙の子は蛙というけれど、産まれた子が親の歩んできた道を進むかどうかはわからない。
ただ、その子がやりたいと思うことをやらせてあげたいということは誰もがそう考えていた。
いつの日か、その子と同じところにいられることを願って・・・