100hit記念小説〜哀歌・龍の血と遺志〜
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太陽の日差しが強く地上に降り注ぐある夏の日、1人の女性が墓地に来ていた。
誰かの墓参りをするのだろうか?
両手には、花束と水の入ったバケツを持っていた。
その女性は1つの墓の前で止まり、前回来た時に供えた花を新しいものと交換した。
水も新しく入れて、墓に水を掛けて優しく布で拭いた。
そして、手を静かに合わせる。
そのお墓には、
【朝田龍太郎】
と名前が刻印されていた。
真希「龍ちゃんが死んじゃって、もう何年たったんだろうね。あっという間だったよ……あの後産まれた生、今年国家試験に合格して、龍ちゃんと同じ道に進んだよ。どこかで見守ってくれているよね……だって生、龍ちゃんにホントそっくりなんだもん…………」
真希は、お墓の前でそう報告しながら、昔のことを思い出していた。