milacle

□case7,変化1
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例え、万に1つの可能性しかなくても、例え一生昏睡状態でも、生きていてさえくれたら…………





そもそも「生きている」という定義はどういうものなのだろうか?







自分の意思で歩き、食べ、働き、眠って起きて日常生活を送ることだろうか?








それとも、息をしていれば生きているとしていいのだろうか?







意識がなくても、脳死でなければ生きているのだろうか?








私は、生きているとは、人と関わり合いながらその人らしく生きていくことだと思う。








例え、意識が戻っても障害が残ってしまってもいい。









2度とメスが握れない体になってしまってもいい。








朝田先生が、今まで通り医療に関わっていくことさえできれば…………









何もオペを執刀することだけが医者ではない。








目の前の患者をどんな形であれ助けられる人がいたら、それはもう立派だと思う。








外見だけではなく、内面、性格や笑顔を見せたり安心させてあげられることだけだって素晴らしいことだと思う。









朝田先生なら、どんなにリハビリが大変でも、例え記憶喪失になっても、いつか朝田龍太郎という人物が戻ってきてくれる。そう誰もが信じていた。









彼はそんな弱い人間ではない。








人間とは、本来たくましい生き物である。
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