龍の愛した女性〜ヒト〜
□case10
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「お前が好きだ」
その言葉がただ嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかった。
憧れてはいたけれど、雲の上のような存在で、諦めていた。
少なからず好意は持っていたけれど、それを壊されたくなくてずっと気付かないふりをしていた。
だけど、そこに朝田先生はいとも簡単に入り込んで来てしまった。
それだけでも嬉しいのに、まさかあの朝田先生が私を好きだなんて・・・・・
「夢じゃないよね・・・・・?」
私は思わずそう呟いてしまった。今、抱きしめられているこの小さな身体を少し震わせ、上目で見上げる。
朝田先生の顔は逆行ではっきりとは見えなかったけど、その顔はいつもの無表情な先生とは少し違っていた。
じっと見ていると、先生の顔が少しずつ近づいて来て、軽く触れる程度のキスをした。
!?!?!?!?!?
その瞬間に、私の顔は真っ赤に沸騰した。
真中「な・・・・・・・・」
朝田「悪い。でも、これで夢じゃないって分かっただろ?」
真中「はい/////」
私は、朝田先生のペースに巻き込まれっぱなしです。