ガリレオドリーム
□0,出逢う
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その出逢いが運命だったとしたら・・・・・
その出逢いがあってはならない結末を迎えてしまったら・・・・・
その出逢いがパンドラの箱だったら・・・・・
あなたは後悔しますか?それとも・・・
その中から何かを見つけようとしますか?
20××年4月。帝都大学。
正門から続く桜は色濃いピンクの花を咲かせ、時折吹く風によりその花びらは散っていた。
そんな場所から少し離れた池の前のベンチに、その人は座っていた。
手には分厚い難しそうな英語の本を開き、時々ページを捲るその仕草は美しい。
真剣に見つめるその眼差しは深く、濃いものだった。
太陽の光がその眼鏡のレンズで反射し、表情はよく見えない。
そんな男性に1人の白衣を着た男性が慌てて近づいて来た。
?「・・・かわせんせ・・・?湯川先生?」
?「何です?栗林さん・・・」
湯川先生と呼ばれたその人物は、帝都大学理工学部物理学科准教授の湯川学。帝都大一の有名人で、整った容姿に頭脳明晰おまけにスポーツ万能。更に神は二物も三物も与え、将来のノーベル物理学賞とも言われる若干35歳。ついた名が、天才物理学者、変人ガリレオ。
そして話し掛けたのは、そのガリレオ先生がいる第13研究室で助手をしている栗林。彼は湯川先生がまだ帝都大の学生だった頃から誰かの助手をしており、現在は立場が逆転してしまった、非常に難しい立場にいる人である。
栗林「湯川先生。もう入学式が始まりますよ?そろそろ会場に行ってください」
湯川「分かった」
直前まで読んでいた本を閉じ、ベンチから立ち上がって踵を返し歩き出す。
栗林「待ってください、湯川先生!!」
助手の栗林は准教授の後を追いかける。
栗林「白衣着てください!!!」