救命医と胸部心臓外科医と脳外科医と小児外科医と…
□Kalute10,出逢い〜南方side〜
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同じ頃、同病院脳神経外科医局。
南方「おはようございます」
南方仁は全研修を終え、晴れて希望通りの脳神経外科へとやって来た。
脳外は1人で孤独な闘いをし、その特殊な領域故に繊細で高度な技術を必要とする分野であるが、一緒に仲間と闘うチーム医療であることはどこの分野でも変わることはない。
その極めて高度な世界に若い医者が飛び込んで来る。それだけで脳外医局は浮き足だっていた。
と同時に、どこまで使い物になるかなど不安な部分も少なからずあったのは確かだ。
だけど、まだまだ未知の部分が多い脳の世界。そこに新しい新鮮な風や発想を取り入れることも肝心である。
古い考えが悪いとは言わない。
だけど、いつまでも古典的な考えでは前には進むことは出来ない。
古くからの教えを活かしつつ、次世界へと考察し、研究し、進化させて進んでいくことも重要である。
紀元前の時代から、すでに開頭手術をしてその後生存していた反応が残っており、その時使用されていたと思われる器具は現代の物とよく似ている。
しかし、現代の脳神経外科学として発展してきたのは戦前の頃の話であり、日本の医療は当時欧米に比べて100年遅れているとか言われていた時期もあったものの、現在はそれも解消されて世界レベルにまでなっていることは誠に喜ばしい限りである。