救命医と胸部心臓外科医と脳外科医と小児外科医と…
□Kalute 9,出逢い〜朝田side 〜
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朝田side
同じ頃、胸部心臓外科医局では…………
「そう言えば今日からだったな」
「何が今日からなんです?木原先生」
「伊集院、お前何も知らないのか?」
木原先生。そう呼ばれたのは、胸部心臓外科医局員で自分の都合のいい人にゴマをするような人で、多少性格に難があった。
伊集院。そう呼ばれたのはまだ研修医であり、オドオドしていてどじ臭いところがあってまわりからは僕ちゃん、と呼ばれいたものの、まだ医局には染まっていないように見えた。
朝田は、そんな2人の横を黙って通り過ぎようとした。
木原「おい、お前見ない顔だな」
朝田は、付き合ってらんねぇ、というめんどくさそうな顔で振り替える。
朝田「朝田龍太郎。よろしく」
木原「君か、研修上がりの。僕は助手の木原だ。僕がみっちり教えてやるから」
朝田「それはどうも」
朝田を初めて見た時、なんだか無口で難しそうだな……という印象を受けた伊集院。
年齢的にはまだ3つしか違わないのだが、第1印象ではもっと上の上級医かと勘違いするくらい落ち着いて大胆不敵に見えた。
朝田「付き合ってらんねぇな」
木原「どういうことだよ?」
朝田「そんなこともわからないようじゃ、お前はやって行けないな」
木原「調子に乗んなよ!!」
朝田「なら、試してみるか?」
そう言った朝田の手には、カルテが握られていた。
挑戦的な態度で睨み付ける朝田。その彼には、どこかから自信が見えていた。