救命医と胸部心臓外科医と脳外科医と小児外科医と…

□プロローグ
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1987年

東都大学卒業式

その日は桜が咲いていた。



生徒A「これで大学生活ともおさらばかー!!」

生徒B「オレら、まだ就職先決まってないけどな」

生徒C「それいうなよぉ〜惨めになるだろ…」

生徒B「アイツらとは次元が違い過ぎる感じがするよな…」


そう言って生徒たちの視線を集めているのは、医学部を主席で卒業した4人の男子学生にあった。

といっても、当の本人たちは注目されていることに気づいていないのだが…



進藤「それにしても研修先まで一緒とはな…」

朝田「同じく」

南方「そんなこといったって、全然嫌そうな顔してないじゃないですか」

西條「僕は、またみんなと一緒に居れて嬉しいと思うよ。ライバルだけど協力していかないとね」

進藤「そうだな…」

朝田「あぁ…」



ヒソヒソ
(なんか進藤と朝田って似てるよな)
(今更!?)



そんな会話をしているのは、東都大学医学部を主席で卒業した4人の男子学生たち。



進藤一生。無口だけど患者に対しては優しく、将来は救命医を目指している。他の同期医学生曰わく、他人より自分に厳しいとか。


朝田龍太郎。進藤と似たところが多く、大学の教授や他の学生と喧嘩することもしばしば。将来は胸部心臓外科医を目指している。ミスター東都大学に進藤と選ばれる程。


南方仁。臆病だけどそれを逆に武器にしてきた。よく笑う。将来は脳外科医を目指している。


西條命。南方と性格が似ているところがある。幼い頃に心臓の手術を受けており、そのこともあって将来は小児外科医を目指している。



彼らは性格は違えど、医療や臨床に関しての考え方は同感するところが多く、入学後から4人一緒に行動することが多かった。


医学生時代から彼らの医学知識や技術は飛び抜けており、それゆえ他の学生から妬まれることもあったが、同時に尊敬されてもいた。


彼らは、医学部時代から注目されていた。

色々な意味で…


そして桜舞う春、彼らは卒業し、東都大学付属病院へ研修医として勤務することになった。
 

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