銀魂

□攘夷組日常30日。
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朝。
人によって気分が違う時間帯。
すっきり起きられるような人も居ればなかなか布団から出て来ない人もいる。それはさておき。
今朝は小鳥の囀る声が聞こえてきて開けっぱなしのカーテンの隙間から太陽の光が覗く。

布団の接ぐ音、すたすたと畳が擦れる音。
シャッと勢い良くカーテンが開く音、光が大放出。

「お前ら!!起きろ!!!!!朝だ!!!!」
8時のアラームが勢いよく鳴ると同時に、近くにあったビール缶がコロコロと転がっていった。

01:おはよう

「全く…お前らは全員寝起きが悪くて困る」
そう言いながらビール缶を立てなおすは桂小太郎。4人のお世話役な苦労人。攘夷志士と名乗っているが最近は活動をしていないように思える。
「おい、起きろ銀時朝だ。」ゆさゆさと布団をゆすり、起きて来ないので腹が立ち布団を思いっきり接ぐ。
「ぎゃっ」
いきなりの事に吃驚したか、銀髪の天然パーマがゆっくりと目を覚ました。
「さみーよ、ヅラこのやろー…」
「ヅラじゃない桂だ」
桂からの安定の言葉を受けながらちっ、と舌打ちを打ちながらむくりと起きてきて頭痛がするらしくぐっと頭を押さえて「いってぇ」とくらりとよろけるは坂田銀時。
一応万事屋を営んでいる。

ここのすぐそばなのですぐ行けるので、泊まる位なら楽なのである。一緒に万事屋に住んでいた従業員の神楽は一か月程同じく従業員の新八の家に泊まるようだった。なので一か月くらい懐かしい仲間の4人で一緒に暮らすことになったのだ。
だから万事屋は昼に行って、夜にこうして一緒に過ごしているというわけだ。だが、最近はこうせっかくの機会なので基本万事屋は休みにしてもらっているのだが。

「おーい高杉!!お前も早く起きろ!!お前は毎日毎日寝すぎなんだ…」
「うるせぇ…起きてるっつーの」
案外返事が早かった声の主は鬼兵隊の隊長を務める高杉晋助だ。一か月くらいならこっちで一緒に暮らしてやっても良いぜとツンデレかましてくれて一緒に一か月同棲を始めた。
「だったら早く起きろよ」と銀時が攻めると、「無理」と布団から離れない。桂が無理矢理布団をはがそうとすると必死にしがみついている。
「なにお前可愛い」銀時が呟くと「うるせー寒いんだよ」と視線をそらす。
そんな高杉ものそのそと起きる体制に入る。

残りはもう一人の天然パーマだ。
「…坂本」
「…ん」
こちらも一応起きてはいるらしいが高杉同様出て来ない。彼は快援隊隊長兼船長の坂本辰馬だ。こちらも一か月位の地球の滞在期間を設けたようなので同棲をすることができるようになったのであった。これが4人が集まれた偶然のような必然のような出来事の集まりである。
「早く起きろ、朝だぞ」
「それは分かっているんじゃが、」
となかなか出て来ない。「どうした、辰馬」と銀時がそっと辰馬の方へ寄っていくと小さい声で聞こえたのは
「低血圧」
「えっ」
「まぁ起きるぜよ…」と自分なりに起きるために頑張っている。普段の彼からは想像もつかない。
というように、初日から始めて知る事実が沢山あった。なぜだか笑えてくる。意外な所も知れるのが同棲のいいところだ。
これからの一ヶ月間、有意義な日々を過ごすのか否か。それは4人次第だ。

「それじゃあみんな、改めて」

「おはよう!」


それは騒がしい一日の幕開けの合図。
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