長文【零】
□器の名 序
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……私の名は
私の名?
形の名なら幾らでも。
思うがままの名で私を呼ぶがいい
名とは言の葉
言の葉とは言霊
体を現すその名で呼べば
目に映る此の器だけを縛る事は出来るだろう
私に名など必要無い
名を付けること
それはその魂をその名で縛るということ
名を呼ばれるということ
それは魂を呼ばれるということ
私は他の何者にも縛られてはならぬ
私の魂は何者にも呼ばれてはならぬ
故に私の名は決して告げてはならぬ
唯一を除いては
廻る双光、その宿命に導かれ
私は再び《ーーーーー》に出逢うだろう
その唯一に全てを委ねた時、真の名を告げるのだ
真の名を告げた時《ーーーーー》は私にその名を名乗り
黎明を迎えるだろう
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