長文【零】
□張られた糸
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「もう手遅れだった…。
取り上げた赤子は…城の跡取りになる筈の…待望の皇子だったのさ…。
女は…赤ん坊を殺害したと冤罪をかけられた挙げ句、首を斬られ処刑された。
愛しい娘を残してな…。あの躯が…その娘だ…。……………娘は…………。」
「……もう、良い。」
そう言って男は
私が言い掛けた言葉を
その唇で遮った
蔵の天井の隙間から
僅かに月光が射していた
*
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