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□I love you★
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「グレイ、風呂あがったぞー。」


今日はナツが俺の家に泊まることになり、先に風呂を済ませたナツがTシャツ、短パン姿で戻ってきた。

内心、残念ながらもほっとしている俺。


「おー、んじゃ俺も入ってくるわ。」





ナツと結ばれて2ヶ月。

それはもう片思いの期間を考えれば、"しあわせ"という4文字で表せねーってほど充実してる。奥手のあいつはやっとキスも慣れてくれて、一緒のベットでも寝てくれるようになった。

しかし、その先に進めずにいる。ナツのことは大切に思ってるし、きっとあいつは経験したことねーだろうから、時間をかけてあいつの同意の上で進めれば、と我慢してる。


期待通りナツからはそんな素振りは一切ない。
つーか、キスする時も今だに恥ずかしがるし、こんなに純粋なんだから知識さえ持ってるかも怪しいよな。

そんなナツだからこそ大事にしてやりたい。でもさすがに1ヶ月を過ぎたあたりから親密さも増して、抱き合ったり、ナツの風呂上がりの上半身裸の姿を見ると正直やばい。
何度押し倒したい衝動に駆られたことか。



「あー、あちぃ。」

火照った身体で湯船を出て、早くナツのもとへ行こうと手早く風呂を済ませ、下着だけ身につけて浴室からでる。




部屋に向かうと、ベットの上で寝息をたてるナツが瞳に映る。



「今日はいびきかいてねーな。」

目の前の愛しい人を見て、自然と笑みが零れる。



少しイチャつくぐらいさせろよな。


そう思いつつも気持ち良さそうに寝るナツを起こそうとは思えず、仕方なく自分も寝ようと部屋の灯りを消す。



ベットに腰掛け、月明かりを辿るとすぐ近くにナツがいる。
この瞬間一つ一つが幸せだ。



1人幸せを噛みしめるように愛しい人を見つめるグレイ。
その寝顔からはいつもの凶暴さは検討もつかない。

桜色の眉は優しい弧をかいて、いつも琥珀色に輝く瞳は瞼で閉ざされており、長めの睫毛が強調されて。
唇は薄ら開かれ見るからに柔らかそうで、いつもキスしたいと思わせる。

今日もそんなナツに魅せられて顔を近付けると、ナツの呼吸と匂いをより近くに感じて胸が高鳴る。


「ナツ…」


ナツの上に覆いかぶさり、その可愛らしい寝顔に口付けを落とした。


「ん…、グレイ?」

「悪い、起こしちまったな。」

「んや、別にいーけど。」


閉ざされていた瞳が開かれ、虚ろな表情でこちらを見上げ俺の名前を呼ぶナツ。謝れば、目が覚めたのか顔を赤らめて目を逸らされる。


「なぁ、ナツ…」

「ん?」

こちらを向いてほしくて頬に手を添え名前を呼び、もう一度口付けを落とす。すると、ナツの大きな瞳がこちらを向く。




やばい、可愛い。



抑えらんねぇ。




「……、ナツがほしい。」


「グレイ…?」

「意味、わかんだろ?」

真っ直ぐにナツを見つめるグレイ。その瞳はどこか艶を帯びていて、ナツの心音を高鳴らせた。


ナツは何か悟ったようにグレイから目を逸らし、唇をきゅっと噛む。


そんなナツの反応にさえも、ドキドキする。しかし、拒絶とも考えられるその反応に我に帰る。

今日がダメでも、時間をかけてゆっくり進んでいけばいい。
そう言い聞かせて、ごめんなと言う言葉を発っそうとした瞬間、ナツから抱き締められた。


「…俺、よくわかんねーけど…それってグレイが俺の事好きって証拠だよな?」

「ナツ…」

「俺…グレイになら何されても構わねぇから。」


そう言うと俺を抱き締める力が、更に強くなる。


そんなナツが愛しくて堪らず、横で赤く染まるナツの頬に口付け身体を少し離し、恥ずかしそうに俯くナツを瞳に映す。


「ナツ、愛してる…。優しくすっから。」

「…ん。」

此方を見つめ恥ずかしそうに眉を寄せるも、琥珀色の瞳は俺を映したままで。


やばい、めっちゃドキドキする。



高鳴る鼓動を感じつつ、ナツの瞳に吸い込まれるように唇を重ねた。
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