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□Bath time★
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いつも通り仕事を終え、桜色の髪をした俺の恋人は、俺ん家のベッドでどりゃーっと力なくダイブする。
クエスト内容は炎を操る悪魔達の討伐だったが、ナツの炎との力量は天と地の差だった。
同じ属性の相手にむきになったか調子に乗ったのか知らねえが、手をだすな俺がやる、と一人で全部倒しやがった。
その悪魔達も一つの村を数分で消す奴らだ。ナツも結構魔力を使ったらしい。
枕に顔を埋めるナツを見てくくっと笑う。
「ナツさんお疲れですか?」
「うっせー‥」
いつもの可愛げのない返事はあるが、ぴくりとも動かない。
てな訳で俺はこれっぽっちも疲れてはいないが、炎ってだけで熱くて汗をかいたせいか体が気持ち悪い。
「んし、風呂入っかぁ。」
ナツも一緒にと振り返ると、いつの間にか寝息をたてて寝てやがる。
調子乗るからだ、馬鹿ナツ。
起こそうと思ったが、気持ちよさそうに寝ているナツを見ると起こす気などなくなり顔が緩む。
*
一人で風呂を済ませ、濡れた髪のままタオル片手にパンツ一枚でナツのいる部屋に向った。
部屋に入ると眠そうな顔でベットに腰をかけているナツが目に映る。
ナツはなぜか俺を見るなり頬を染め、顔を反らす。
「ナツ、起きてたのか。」
「ん…グレイだけずりー」
「ナツが寝てっからだろ。あんだけ暴れたんだ、疲れたろ?大人しく寝とけ。」
「やだ。俺も入る…。」
「はぁ、たまには恋人の言うこと聞けっつーの。にしても、何でそんな猿みてぇに顔赤くしてんだよ。」
「っ…!」
更に顔を赤く染めるナツ。
グレイの"恋人"と言う発言と、前はグレイの風呂上りなどみても何とも感じなかったはずが、恋人という関係になってからその姿がよりかっこよくみえて、ナツの胸が高鳴るのだ。
「うるせー!ひ、日焼けしたんだよっ!」
何とも言えない酷い言い訳をして、立ち上がる。
しかし、身体の眠気は覚めることなく、今にも瞼が閉じそうな顔でふらふらしながら風呂場に向かう。
おい、と腕を引っ張り引き止めるとバランスを崩し慌ててナツの体を支える。
「ほーら、こんな状態じゃ風呂で寝ちまうんじゃねえか?やめとけって。」
な?、と顔を覗き込むとトロンとした顔でこちらを見上げてくる。
おいおい、襲っちまうぞ。
「…風呂入んねーとグレイに触りたくねえし、一緒に寝れねえだろ。」
ぐはぁっ!何だこの可愛い生き物は!!
ナツの表情とその言葉に胸が高鳴る。
んなこと気にしてんのか?普段は聞かないようなナツの言葉に少し驚く。
自分の言った言葉にはっと我に返ったのか頬を赤く染めるナツ。
あー可愛すぎる。