OBR

□はくす
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こんな日もありましたシリーズ。
ネタバレになるので名前は伏せてますが、B組の二人です。


















部活帰りの夕暮れ時。
自転車をこいで家へと向かっていると、道端の自動販売機前でクラスメイトを見つけた。

お、×××君だ。そう思っていると、彼は屈んで飲み物を取り出し、そのまま行ってしまう。
その自販機は「当たりが出たら、もういっぽん!」とキンキンした声を撒き散らしていたが、全くの置いてけぼり状態だった。


ピピピピピピ………じゃじゃーん!


自販機は派手な音を出し、彼が当たりをひいた事を告げる。がこん、と音がしてもう一つ飲み物が落ちてきたのが分かった。

しかし彼はやっぱり気づいていないようだ。無頓着に、早足で離れていく。

あらら。どうしよ。
一瞬迷ったが、---はすぐさま自販機から飲み物を引っ張り出すと、勢い良く自転車を走らせる。自転車なら軽々と、彼の背中に追いつけると思ったからだ。

温かい缶を片手で掲げて、声を張り上げた。


「×××くん!」








呼び声がして振り返ると、クラスメイトが飲み物と笑顔を引っさげてこちらへ向かってきていた。---だ。


「さっき買ってたでしょ。ハイ、当たりです!」

「ああ」


当たるもんなんだな。×××は差し出された飲み物から、---のニコニコした顔へ視線を移した。わざわざ届けてくれたらしい。


「良かったら飲めよ」

「えっ……いいよいいよ!せっかく当たったんだから」

「2本もいらないし。---にやる」

「……いいの?」


頷くと、---はまたもや顔を綻ばせた。「ウシャシャ!ありがとう!」と礼を言って飲み物を頬にあてる。
ウシャシャとかいう奴、初めて見た。つられて少し笑ってしまう。


「ごちそうさま。また明日ね!」

「うん。また」







そうして二人は背を向けると、それぞれの場所へ、それぞれの思いで戻っていく。


(笑うとこ見るの、珍しいなー)

(律儀なやつだな)



遠くない、惨酷な未来で、いずれ二人は「決戦」を迎えるけれど。

それはまだ、先のはなし。

















オワリ。ありがとうございました‼
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