ポケモン

□Pkmn
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 とある日。

 フキヨセジムの前で見覚えのあるボウシを見かける。声をかける前にジムに入ってしまったので、仕方なく待ってる事にした。

 時間にして、1時間48分55秒後、彼はジムのドアを開けて出てきた。自分を見つけると、とても嫌そうな顔をする。

 ジム戦直後なんだけど、と噛み付くように物申す彼を無視して、だいぶ傷ついた、でもどこか嬉しそうにしている彼のトモダチに目を向ける。
 いつもそうだけど、どうしてそんなに嬉しそうにできるのだろう。

・・・直接聞いてみよう。

 一言ことわって置くべきかと提案してみれば、ニンゲンの方はのろくさく不平の声を上げる。のろすぎて何を言っているかわからないので、無視をした。
 ポケモンの方は、喜んで承諾してくれた。疲れているだろうに、いいコたちだ。

「まぁ、そんなに聞きたいんなら確かめてみなよ。おれたちのビュリフォー過ぎる絆をさ」

 めんどくさいので無視をする。
 そっとトモダチと目線を合わせて、訊ねてみた・・・






Q : あなたはパートナーのニンゲンをどう思っていますか?



ダイケンキ (トウヤ?いいやつだよ。あー、ちょっと頭がかわいそうかな。うん)


ウルガモス (わたくしの木の実提供マシーン以外の何でもありませんわ!)


シュバルゴ (・・・わさわさしてる。一呼吸置いて、よく考えてから効率良く移動すべき。いくら空を飛べるからってさあ、砂漠にこもってると思ったら、マニアに変なの売りつけるためだけにいちいt・・・(以下略))


マッギョ ( も っ と 踏 ん で ・・・ !)





Q : パートナーのニンゲンに辛く当たられることはありませんか?



ダ (それがさぁ、最近どうもボクの背中に乗りたがるんだよ。しかも川とか海で遊んでる時に。「お前ならできる」とか「いや、おれならできる」とか「秘伝なんて認めない」とかぶつくさ言って。で、水に落っこちる。何したいんだろう?)


ウ (ああぁぁぁら、それは従順でしてよ。何しろわたくしの炎はとうてい無粋なニンゲンには耐えられませんもの。ほほほほ!)


シ (進化したばかりの頃 「ねぇ、ドラクエにいるでしょ」 って意味わからないこと毎日聞かれた事はあるな。けどさ、もし辛く当たられたって、しょせんニンゲンってポケモンに適うはず無いよね。キミの様に言葉がわかれば文句のひとつも言ってやれるけど。結局は力づくで黙らせて察してもらうしかないんだよ。その点コイツは優秀といえなくm・・・(以下略))


マ ( む し ろ TA RI NA I ・・・ ! )





Q : このニンゲンにパートナーとして付き従う理由は何ですか?



ダ (えぇ?ボクがトウヤを連れてるからなぁ。そんな風に考えたことないよ!)


ウ (燃やしますわよアナタ。誰が付き従うですって?この者はいわゆる、手足が生えてたまにしゃべるただの木の実入れ。わたくしの所有物ですわ!)


シ (こんなショボニンゲンに従順になるポケモンなんているのかい?信じられないね。自分たちがいなけりゃコイツ、あっちへ道草こっちへ道草で何にもできやしないんだから。むしろもうちょっと自分らに感謝しながらついてくべk・・・(以下略))


M ( あ の 靴 の 裏  が 忘 れ ら れ な い ・・・ ! )





Q : あなたはパートナーのニンゲンを信頼してますか?また、されていると思えますか?



ダ (ああ、勿論!ボクにとって初めてのトレーナーだし。やっぱ、愛着が違うね!ここまで良く頑張ってくれてるよ)


ウ (そうですわねぇ・・・思えばここに来るまでに、この木の実マシーンも随分性能を上げましたわ。そんなにまで育ててあげたのだもの。泣いて喜んでることでしょう!ほーほほほ!)


シ (するもなにも、少なくてもコイツはせざるをえないだろうさ。自分にしてみれば代わりのニンゲンはいくらでもいるけど、コイツはきっと自分らに見捨てられればなーんにも出来やしないだろうからね。少しかわいそうだと思わない?君もポケモン解放だなんておこがましくておせっかいな事より、もう少し自分磨きにでもはげm・・・(以下略))


マ ( そ ん な の い い か ら 踏 ん で く れ・・・ !)






「・・・・・・・・・」

もういい?とどこか得意げに、余裕しゃくしゃくに聞いてくるパートナー。
その態度の、なんと痛ましいこと。

「おれたちの固い結束が、これでわかっただろ」

「・・・・うん」



ニンゲンに同情したのは、生まれて初めてだった。






終わり

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