贈り物
□My hobby is…
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あーーーーーもう!!
最近忙しすぎる!!
テロリストがただでさえ多い時期なのになぜあのオヤジども…ごほんごほん上司たちは私を食事に誘おうとするの!!
バカなの?アホなの?無能なの!?
ズカズカと廊下を進みながらクリアはそんなことを考える
彼女は人間として生活しているときは基本的に穏やかだが、さすがに許容範囲を越している
目指す場所はひとつ、彼女が気に入っている人間の元だ
バンッ
「ローイ!!」
大きな音を立て、ドアを開ける
部屋のなかには驚いた顔をする国軍大佐とその副官
二人はフリーズしながら突然の訪問者を眺めた
「く、クリア…?「リザ姉、ちょっとロイ貸してもらってもいい?」
クリアがリザの方を向き、そう言う
ロイが何かを言いかけていたことは完全にスルーだ
「え、ええ
いいけど…」
「ありがと
ロイ来て」
「わ、わかった」
リザの許可が降りるとクリアはロイの腕を引っ張り自身の執務室に連れていく
(余談では、その光景を見たリザの祖父が「若いっていいねぇ」と言っていたらしい…)
「ど、どうしたんだ?クリア」
クリアがロイを部屋にあったソファに座らせるとロイが訪ねる
が、クリアはなにも言わずにソファの後ろにまわると後ろからロイを抱き締めた
「っっっっ!!」
「あ〜いい匂い〜♪」
すんすんと匂いをかぎながらクリアがロイの首元に顔を埋める
ロイとヒューズしか知らないことだが、クリアは俗に言う匂いフェチで、特にロイの香水の匂いが大好きらしい
「癒される〜♪」
「(ふ、不意打ち…!!
ええい!!落ち着け!!落ち着くんだ私!!)」
急な出来事に心拍数が上がりまくっているロイをよそに、クリアはにこにこと笑う
その顔を見てさらにロイの心拍数は上がる
数時間後…
「クリアちゃん、そろそろ大佐を…」
そう言って部屋に入ってきたリザが見たものは、
血まみれのティッシュを鼻に詰めて嬉しそうな顔で寝ている国軍大佐と、その膝で幸せそうな顔で寝ている国軍少将だったという…