贈り物

□ロイ・マスタングの憂鬱
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バレンタインの日からずっと考えているが、気づけば今日は13日
つまりホワイトデーの前日

いまだにあげるものが決まらない

…いや、決まってはいたんだ
町で一番人気の菓子屋のお菓子がクリアの大好物だから毎年それをあげていたから今年も同じにするつもりだったんだ

しかし…
ついこの間店が移転してしまったのだ
しかも中央に
そんなところまで買いに行く時間はない

だから悩んでる

さて、どうしようか…

いっそ手作りのお菓子にでもしようかと思ったがすぐにやめる
何故なら作った経験がない
そんな私がいきなり上手く作れるわけがないからだ

あれでもないこれでもないと考えているが、いっこうに決まらない
(他にくれた女性には適当にお菓子を買っておいた)

そもそもクリアはかなりモテる
バレンタイン(の次の日)は私と同じくらい貰ったらしい
それも男女に

女性は「かっこいい」「可愛すぎる」
という理由らしいが、
野郎共は「可愛すぎる」「萌える」「クリアたんハァハァ」「クリアたんは俺の嫁」らしい
言っておくが最後の二人は焦がしておいた
二人目は…うむ、同感だ
クリアは仕事中(主に戦闘)では確かにかっこいい
男の私ですら見惚れるほどだ
だが普段はちょっと…いやいや、かなりドジだ
何もないところでいきなり転ぶなんてしょっちゅうで、この間は書き上げた書類の山を倒して部屋が悲惨なことになっていた
あのギャップがいいんだよな…って違う違う

今考えるべきなのはホワイトデーのことだ

っと…
美しい副官が鋭い目付きで睨んでる
さすが¨鷹の目¨視線だけで人が殺せそうだ
ああ、待ってくれ
仕事するから
だからその拳銃をしまいたまえ
すみません、しまってくださいお願いします
いやマジで
ってちょ、待て待て引き金にかけた指に力が入ってないか?
死ぬ死ぬ死んじゃうって
ほら、書類書いてるから
だから撃たないでー!!
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