贈り物

□俺がお前で、僕が君
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もし、俺がお前だったら…

体を失ったのは俺で、

鎧の体になって

いろんなやつに怖がられるのも、怪しまれるのも俺で、

色々悩んで苦しむのも俺で、

いつ自分が消えてしまうかわからない恐怖を感じるのも俺だった


俺がお前だったら

そんなことをよく考える

でも…







僕が君だったら…

お兄ちゃんって言うことで我慢したりするのは僕で、

腕が千切れる激痛を味わうのも僕で、

いっぱい怪我するのも僕で、

軍の狗になって嫌な想いをするのも僕だった


僕が君だったら…

そんなことをよく考える

でも…







俺がお前だったら

お前が怪我をすることになるし、

国家錬金術師になって辛い想いをさせるし、

そもそもお前を守ってやれない

だから…




僕が君だったら

いろんな人に不審がられてしまうし、

自分が消えてしまうかわからない恐怖を感じさせるし、

何より、体をはって守ることが出来ない

だから…




「ねぇ兄さん
僕、兄さんの弟でよかったよ」

「いきなりどうした
…俺もお前の兄貴でよかったよ」



俺は…

僕は…

この関係で

この立場で

この¨自分¨で


共に


歩んで行こう…
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