贈り物

□動き出した運命ーその後
1ページ/2ページ

「そういえば風の錬金術ってどういう仕組みなんだ?」

「んー?そうだなぁ…」

私は飲んでいたコーヒーをデスクに置く
今私達は私の執務室にて雑談中、つまりサボ…(以下略)
コーヒー片手にクッキーをつまむ
…平和だなぁ
クッキー美味しいし、このコーヒーも東方司令部名物の「うっすいコーヒー」とは違い、私が持ってきた物だから結構美味しい
実際、ロイはこのコーヒーを飲むためにこの部屋に来たりする。つまりサボ…(以下略)

「私の錬金術はこのブレスレットに彫り込んだ錬成陣を使って空気中の水蒸気を分解して…うん、百聞は一見にしかず、だよね」

そういうと私は両手を合わせる

バチバチッ

青白い光がブレスレットから飛び散る

ふわり、と室内だというのに気持ちのよい風が首筋を撫でる

強い風を錬成したら書類が飛んじゃって後片付けがめんどくさいからね

「おぉー、スゲー!!
今まで錬金術で風を起こすなんて考えたこともなかったな…」

「まぁ室内だから加減したけど…
そうだ、今度手合わせでもしてみる?」

「待て待て待て…
お前はエドワードを殺す気か!!
エドワードはまだ子供なんだぞ!!」

「子供扱いすんな!!
その勝負受けてたーつ!!!!」

「じゃあ今度練兵場予約しておくね〜♪」

(…死んだな、エドワード…)

渋い顔をするロイ
むー、私が本気出すわけないじゃん
また口を開こうとしたロイの口に持っていたクッキーを押し込む
もきゅもきゅとそれを食べるロイ
…なんか可愛い

じっと見ていたら目をそらされた
微かにほっぺたも赤い
どうしてだろ…クッキー美味しくなかった?

「…何いちゃついてるんだよ大佐」

「…君にはこれがいちゃついてるように見えるのかね?エドワード…」

イチャツク?何それ美味しいの?
クッキーをモグモグしながら考える
甘いものなら大歓迎だ

「クリアは軍人としての腕は素晴らしいのだが、こういうことはさっぱりでな…」

「逆にここまで来るとすごいな…
大佐はそーいうこと教えないの?」

「なっ……で、できるわけないだろう!!そんなこと…」

ロイがわたわたしてる
そーいうことってなんだろ
私は話についていけず暇なのでクッキーを食べてる
さくさくさくさくさ、ガリッ…
いたっ舌かんだ…

「クリアは大佐のことどう思ってるの?」

ニヤニヤしてるエドワードがこっちを見る

「どうって…ロイは大切な親友だよ?
もちろんマースもだけど、
なんだろ、一緒にいると落ち着く…かな?」

ガックリうなだれるロイ
ぇ、何私爆弾投下した!?

「…うん、まぁあれだ
大佐ドンマイ!!いいことあるって!!多分」

「うるさいっ!!」

「わー!!ロイここ室内!!焔はやめて!!」

ロイが手を振り上げ、焔を錬成…
しようとした
ロイが手を振り上げたのとほぼ同時に扉をノックする音が響く
ギクッと身を強張らせるロイ

「あ、入ってい…むぐぅ」

ロイが私の口をふさいだ
ついでに頭を横に振りまくる
そんなに振ったら頭とれちゃうよ?

「失礼します」

ロイの抵抗むなしく部屋に入って来る¨彼女¨

「あ、リザね…」
ドンッ

「のわっ」

部屋に入って来たリザ姉は逃げようとしたロイの目の前の壁に銃弾をめり込ませた
ロイの黒い前髪が数本舞う
ぇ、待って。いつ抜いたのその銃

「き、君は私を殺す気か!?」

「あら、そんなことありませんよ
ちゃんと外したでしょう?
でもまた仕事をサボるのなら¨偶然¨手元が狂ってしまうかもしれませんよ?」

笑顔でリザ姉が言う
すごいいい笑顔なのに背後に般若が見えるのは気のせいだよね?

ロイは小さくなってプルプル震えてる
うん、可愛い

「えと、ちゅ、ちゅうい?」

あ、エドワードびびってる

「まったくエドワード君まで…
二人とも¨私の¨クリアちゃんにやましいことを教えないでください!!」

「「ぇ…」」

「やましいこと…って何?」

「ずれてる!!クリア論点がずれてる!!」

「わ、私の…」

「クリアちゃんは純情なほうがいいんです!!」

「いや、そこは認めるが…」

「とにかく!!」

ドサッと持っていた書類をロイの手に持たせ、

「それが終わるまで今日は家に返しませんよ?」

と微笑を残してリザ姉は帰っていった
うん、ロイがんばれー
その書類見た目20センチほどあるけどロイはやればできる子だから!!

ロイがムンクの叫び的なアレになっていてエドワードが固まっている


あぁ、今日も東方司令部は平和です
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ