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□リボン
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「赤司くん」
束縛されるのはきらいだ。
見張られるのもきらいだ。
行動を制限されるのも好きではないし、僕の意思を無視されるのも困る。
「面白い事を言うね、テツヤ」
左手に緩く結ばれた赤いリボン。
手首を締め付けるには長すぎて、かといってそこから手を抜くことは叶わない。
蝶結びにされたそれは、結び目はかたいのに引っ張るだけですぐにほどけてしまうだろう。
ああ、こんな曖昧さが僕はとても不安なんだ。
束縛されるのはきらいだ。
見張られるのもきらいだ。
行動を制限されるのも好きではないし、僕の意思を無視されるのも困る。
「赤司、くん」
ただ、見放されるのはもっと嫌なんだ。
それは鎖の様に僕を地には留めないけど、ほどけば僕の肌を切るだろう