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□プロポーズ、
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何だか今日は、みなさんの様子がおかしい気がした。
この船に乗って、半年。だいたいみなさんがどういう人なのかわかっているつもりだった。
ナミさんに声をかけても、
チョッパーさんに声をかけても、
サンジさんに声をかけても、みんな私を見ただけで焦りだして私から遠ざかろうとする。
どうしたんだろう・・・・・・。
サンジさんに調理場を追い出された私は、行き場をなくして見張り台まで上った。
そこでは、ゾロさんが大きないびきをかいて寝ていた。睡眠を邪魔するつもりはないけれど、この場所は、下のデッキよりも潮風を感じられて好きな場所。
初めて・・・この船に乗ったとき、最初にルフィさんが連れてきてくれた場所。
ゾロさんの隣に座り、サニー号を眺めた。
そういえば、今日はルフィさんがいない。
私はいまさらになって、朝からルフィさんが見当たらないことに気がつく。
いつもだったら、真っ先に私に「おはよう」って言ってくれるのにな。
「あの・・・・・・ゾロ・・・さん?」
ソロさんが、寝ている途中で起こされると期限が悪くなる。というのは百も承知でゾロさんを揺すって起こした。
「あ゛ァ?」
本当に機嫌が悪そうに、状態を起こして、眉間にしわを寄せながら私を見てきた。
「あっ・・・えっと・・・・・・今日、ルフィさんはどちらに・・・・・・?」
恐る恐る聞くと、ゾロさんは遠くにある島を指した。
「ウソップとミニメリーであそこに行った」
その島は、随分と発展している島のようで、カラフルな街が見えた。
「ああ・・・あそこに・・・」
でも、どうして?
あの島はルフィさんが行くというよりは、ナミさんやロビンさんが行きそうなのに。
それ以上の質問は受け付けてくれないようで、ゾロさんはまた眠りについてしまった。
・・・でも、どうしてわざわざミニメリーで?サニー号が着いてからじゃダメだったのかな?
次々に疑問符が浮かぶ。
変なことに、巻き込まれてないといいんだけど・・・。
ルフィさんはいつもそのパターンでいろいろもって帰ってくるから心配だった。
その日の夕食にはルフィさん以外全員揃ってテーブルを囲んだ。
いつもより、豪華な夕食だった。
サンジさん・・・すっごい気合入ってる。
私の隣に座っているゾロさんは相変わらず眠たそうな顔をしていて。
ナミさんはなんだか落ち着かない様子で周囲を見回している。
ロビンさんはいつもどおりニコニコしていた。
何か、あるのかな・・・。
すると、ルフィさんが、似つかわしくないタキシードを着て入ってきた。
「っ・・・・・・」
人目で、かっこいいと思って、ルフィさんから目が離せない。
「なんだよウソップ〜これ苦しくて俺嫌だ」
ルフィさんは本当に窮屈そうにしていて、今にも脱ぎ始めそう。
「わあわあ!今だけだから!我慢しろよ!船長!!」
ルフィさんは、仕方なくうなずいて、私を見た。
「ナミ!ロビン!」
「はいはい」「わかってるわ」
私は、ナミさんとロビンさんに別室へ連れて行かれ、着せられたのは真っ白なドレス。
「うわーピッタリ」
「とっても似合ってるわ」
「ルフィ、ルナのスリーサイズなんていつ調べたのよ」
真っ白な、ドレス・・・?。
みなさんのところへ戻ると、拍手で迎えられた。
「ルナ、綺麗だなあ・・・!!」
ルフィさんは満面の笑みでニコニコしている。
「あ、、、ありがとう・・・ございます」
恥ずかしい。
「ルナ・・・俺の、嫁になれ!!!」
ルフィさんの真剣な表情からの、突然のプロポーズ。
ぶわっと涙が溢れて。
でも、頭が混乱してちゃんと状況を理解できない。
そんな私に、ルフィさんが花束を渡してくる。
ナミさんが、私に耳打ちをしてくれる。
「答え。早くあげたほうがいいわよ。ルナも、悪くないでしょ?ルフィって」
その言葉を聞いて、ようやくルフィさんのタキシードの意味も、私のドレスの芋も、サンジさんの料理の気合の入れようも、ルフィさんがあの島に出かけら理由も。。。
全部理解できた。
ということは、私以外の一味のみなさんは前からルフィさんが私にプロポーズをするって言ってたってこと。
だからあんなに焦ったりしてたんだね。
理解できて、納得した。
「ルナちゃん、早く返事してあげな」
ルフィさんは、私の返事を今か今かと待っている。
・・・私を、仲間になれって船に誘ってくれて・・・・・・うれしかった。
でも、期間限定の仲間だと、勝手に思ってた。
「・・・はいっ・・・私でよければ」
その言葉を、吐き出した途端、船の中はお祭り騒ぎ。
「ルナ!!俺がぜえええええったい!!幸せにするからなあ!!」
「期待してます」
笑いながらも答える。
今でも十分幸せ。でも、もっともっと。
ルフィさんが幸せにしてくれるような気がした。
少しだけ強引な、あなたからのプロポーズ。