長編

□vs大王様
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及川さんはアップに行った

ダメだ、あの人はほんと苦手…
悪い人でないのはわかるんだけど

烏野のみんなは第三セットを
リードしていた

ギャラリーの中には
及川さんを心配する声が聞こえる

「チィッ オラオラオラァ〜!!」
田中先輩の力の入り方が怖い…
パワーがいつもの比ではない

日向くんもスパイクを決め
影山くんと月島くんのブロックも決まった

烏野のはマッチポイントを取った

「調子に乗るな!!」
金田一くんのスパイクが決まった
それでも烏野のリードは変わらない

そのとき
「アララ〜ピンチじゃないですか」
及川さんが登場した

この場面の登場…もしかしたら…
セッターじゃなくて
ピンチサーバーかも

私の予想は外れることなく
及川さんはサーバーの位置にいた

「いくら攻撃力が高くても
その攻撃まで繋げなきゃ意味ないんだよ?」

何故だか月島くんを指差している
もしかして…
「月島くん!気をつけて!」
おもわず声を出してしまった

及川さんのサーブは見事に
月島君のもとに届けられた

「うっ!」
ゴッっという音を立てボールは弾かれた

私はリベロの練習として
受けたことがあるからあの痛さが怖い
初めて受けてからしばらくは
怖くて仕方なかった

「6番のきみと5番の君
レシーブ苦手でしょ?」
月島くんと日向くんのことだ

及川さんは2本目のサーブも
月島くんを狙った
ゴガッという鈍い音を立て
またボールは弾かれた
「ツッキイイイ!!!」
山口君が絶叫している

あと一点のとこまで追い詰められたとき
日向君が暴れだした
「おい!コラ!大王様!!
俺も狙え とってやる!狙えよ!」
「みっともないから喚くなよ!」
月島くんが迷惑そうに呟いた

「バレーボールはなあ!ネットのこっちっ側
いる全員!もれなく見方なんだぞ!」
日向君が田中先輩の名言を叫んだ
「〜〜〜〜」
バツが悪そうな月島くん
「それにな!名無しちゃんもな!
みんなで支えあってるって言ってたんだ!
協力するもんだろ!」

突然、私のことまで言われた…
は、恥ずかしいよ日向くん
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