テニプリBL
□あの時から…
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「それが手塚だったの?」
「うん…。」
不二は腕を組み、その話しを聞いていた。桃城はと言うとやっぱり驚いていた。
「その後…」
手塚が声をあげた事によって、男3人は逃げていった。リョーマは怖くて怖くて。いつもは流れない涙が今日は何故か頬をつたっていた。それを見た手塚はリョーマの左の手を握ってあげた。リョーマが手塚に抱きついたのもその瞬間だった。
「越前…。」
「ぶちょ…っ…ぅ…。」
手塚はなんとかリョーマの手を引いて手塚家へ。自室に入れてあげると、その瞬間また手塚に抱きついた。
「越前…。大丈夫か…?」
手塚がそうリョーマに聞くと小さく頷いた。けれど、手塚にはリョーマが大丈夫なんかには見えなかった。
「越前…。顔を上げろ…。」
「っ…やぁ…っ…。」
拒むリョーマ。けれど、手塚はさっきのことをリョーマの頭から消してやろうと必死。何度名前を呼んでも抵抗する。それは恥ずかしいからではない。手塚をさっきの3人組と間違えているのだ。
今のままではヤバいと思った手塚はリョーマに悪いとは思いながらも、強引にリョーマ顔を上げさせ激しく唇を奪った。
「っ…んっ…っ…!」
「お前は誰を見ている…。いい加減に現実を見ろ…。」
そんな手塚のイラついているような言葉にリョーマはいつの間にか手塚の顔を見つめていた。その目は泣きすぎて腫れてしまっていた。
「ぶちょ…。」
「あぁ…。そうだ…。」
ただ、今度は恥ずかしくなったらしく、また手塚に抱きついた。
「お前は俺だけをみていればいい…。」
手塚もいつの間にかリョーマを抱きしめていた。
その後いきなりベッドに押し倒されて…。
「何を話している…。」
その時、部室にはこの空気を壊す声が響いた。
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