蒼き薔薇が散る時

□その執事 有能、そして最凶
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とある日の事

「なんか騒がしいね…」
和「何やってんだあいつら…」

時雨と和成が屋敷の廊下を歩いていると何やら使用人たちの騒がしい声が聞こえた。
そっちに行ってみると、

和「なんだこの状況は…」
バ「和成じゃねぇか」
和「おー…
じゃなくて!なんだよこの状況は!!」
「すごいね…」

時雨たちの目の前には大量の猫に大量のネズミ捕獲用の罠があった。
そこに、

セ「…何をしているんですか、貴方達は」

呆れているセバスチャンが現れた。

バ「何ってネズミ捕りに決まってんだろィ!!」
セ「はぁ…」
和「いや全然ネズミ捕りになってねぇからな!?」

とワイワイやっていると、

シ「セバスチャン!」
セ「坊ちゃん」

資料を片手に持ったシエルが来た。

シ「今夜ランドル公の屋敷へ馬車を迎えに出せ」
セ「馬車を?」
シ「今夜は夜会を開く」

シエルの一言に一瞬反応したセバスチャンだったがすぐに笑みを浮かべた。

セ「かしこまりました。
では馬車の手配を済ませましたらお部屋にアフタヌーンティーをお持ち致します。
本日のお茶菓子はリンゴとレーズンのディープパイをご用意しております。焼き立てをお持ちしますので少々お待ちください」
シ「あぁ」
セ「そうだ。
時雨様もご一緒にどうです?」
「いいの?
じゃあいただこうかな」
セ「では坊ちゃんとご一緒にお待ちください」
「分かった」
セ「和成は手伝ってください」
和「へいへい」

話が終わるとシエルと時雨はシエルの部屋に向かった。
その後ろ姿を見送ったセバスチャンと和成は一瞬でネズミを捕まえた。
それを見た使用人3人はポカーンとしていた。

セ「さ、貴方達も遊んでないで仕事なさい。
今晩はお客様がお見えになりますよ」

そのままセバスチャンと和成はタナカさんが持っていた網の中にネズミを放り込んだのだった。


その頃シエルと時雨は、

シ「…はぁ」
「お疲れだねシエル」
シ「まぁな…
なんでウチの使用人共はあんなに平和なのか不思議で仕方ない」
「あはは…
ッ!!?」

時雨が笑っていると突然後ろから口を布で押さえつけられた。

シ「時雨?
ッ!!?」

時雨の異変に気付いたシエルが後ろを向こうとするとシエルも口を布で押さえつけられた。
そのまま2人は意識を失ったのだ。



ガラガラガラッ

和「よくこんな凝ったもの作れるよな」
セ「執事ですからね」
和「ふーん」

シエルの部屋に辿りついた2人はノックをした。

セ「坊ちゃん、時雨様。
アフタヌーンティーをお持ち致しました」

しかし一向に返事が聞こえないのに2人は?を浮かべた。
そしてセバスチャンがドアを開けると、

2「!!」
セ「これは――…」

そこは蛻の殻だった。

セ「嗚呼…何という事だ…
せっかくの紅茶が無駄になってしまった…」
和「気にするところはそこかよ!!」

和成はセバスチャンに適格なツッコミを入れた。




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