守り人

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翌日


「んっ…」


あれからずっと寝ていた紫姫がようやく目を覚ました。


「私…ずっと眠ってて…」



体を起こし紫姫が周りを見ると、



「!!」
薬「すぅ…すぅ…」
清「ん〜〜主ぃ〜俺可愛いでしょぉ〜」
安「清光……うるさい……」
鳴「くぅ……くぅ……」
狐「もう、食べられないですよぅ…」


紫姫の眠っているベッドの上で薬研と清光、安定、鳴狐とお供が眠っていた。
紫姫が4人と1匹の事を見ていると、


光「おはよう主」
「!光忠…」


洗濯物をたたんでいた光忠が紫姫が起きたことに気づいて紫姫のところまできた。
紫姫のそばまで来ると紫姫の頬に手を添えて顔色を窺った。


光「うん、だいぶ良くなったね。安心したよ」
「私…どれぐらいの間眠ってた?」
光「太郎君を顕現してから半日かな?」
「つまり…ここにきてもう3日目なのね…」


光忠は備え付けの水差しからコップに水を注いだ。


光「はい、水どうぞ」
「ありがとう…
それにしてもこれは…」


水を一口飲むとベッドの上で寝ている4人と1匹に目をやった。
それを見た光忠はあぁ…といって苦笑いを零した。


光「みんなで主の世話するって言いだしてね、結局疲れてみんな寝ちゃったんだよ」
「そう…起きたらみんなにお礼を言わなきゃ。
そういえば、小狐丸と太郎は?」


紫姫があたりを見渡すと、


ガチャ


小「!!主様!起きられたのですね!」
太「良かったです」
「小狐丸、太郎」


どこかに行ってたのか楽な格好をした小狐丸と太郎が戻って来た。
小狐丸は紫姫が起きているのを見ると嬉しそうな表情を向けてベッドまで駆け寄って来た。
そして、


ぎゅっ


「ひゃっ!こ、小狐丸…?」


紫姫のことを抱きしめた。


小「良かったです…お体の方はもう大丈夫ですか?」
「っえぇ…大丈夫よ…ごめんね、心配させて」
小「大丈夫ならよろしいのです」


小狐丸は安心したような表情を向けた。
太郎もそのまま紫姫のところに来た。


太「だいぶ妖力も回復したようですね、よかったです」
「みんなに迷惑をかけたようね…ごめんなさいね」
光「問題ないよ、主が無事なら僕らはなんだってやるからね」



紫姫は3人の笑顔を見て微笑んだ。
すると、


薬「んっ…あ、れ…」
清「んん〜ふぁ〜ねむ…」
安「うーん……あれ…」
鳴「ん……」


ベッドで寝ていた4人が動きだした。
それを見た光忠が4人を声をかけた。


光「おはよう4人共、主はもう起きたよ」
薬「ん…って大将!目を覚ましたんだな!」
清「ふぁ…大丈夫主?」
安「良かった…目を覚ましたんだね」
鳴「(コクコクッ)」
狐「私めも安心しましたよぅ!」


紫姫はみんなのホッとした表情を見て微笑んだ。
すると、


コンコンッ


紅「入るわよ〜
紫姫は目を覚ましたかしら?」



紅音が入って来た。
紅音は紫姫を見ると明るい表情を向けた。


紅「だいぶ妖力が戻って来たみたいね。よかったわ」
「だいぶ体も軽くなったわ…」
紅「良かったわ。
それじゃあ朝ごはん用意しておくから準備が終わったらいらっしゃい」
「えぇ…」


紅音が笑顔で部屋を後にした。
紫姫は体を伸ばすとベッドから体をだした。


「先にお風呂に入るわ…みんなは先に言っててちょうだい」
光「じゃあ僕は手伝いに言ってるから他のみんなは主と一緒に来てね」
薬「あぁ」



光忠は部屋を後にした。
他のメンバーは紫姫がお風呂に入っている間に準備をしていた。
すると清光があるものに気づいた。


清「あれ?これって主の携帯だよね?」
安「そうだよ。それがどうしたの?」
清「なんか光ってるからさ」
狐「もしや誰かから連絡が来てるんじゃないでしょうか?」
薬「それじゃあ大将に知らせた方がいいよな」
清「でも今お風呂だからなぁ…」



なんてどうすればいいか悩んでいると、



「どうしたの?」



タイミングよく紫姫が風呂から出てきた。



清「主!なんか携帯が光ってるよ!」
「?誰かから連絡でも来てるのかしら」


清光から携帯を受け取り紫姫は携帯を開いた。
相手はリボーンだった。


「リボーンから…」


紫姫はそのまま操作し留守電を聞いた。


リ『ちゃおっす。実家に帰ってるとこ悪いな。お前に伝えておかなきゃならなくてな。
実は今9代目からツナに任務が来ててな、それで黒曜に来てんだ。
任務の内容は脱獄者を捕まえることでな、その脱獄者達の主犯の名前は“六道骸”っていうんだ』
薬「ッ!!」


“六道骸”という言葉を聞いて薬研だけが反応した。


リ『その六道骸と一緒に脱獄した奴らがまた厄介でな。まだまだ慣れない奴らじゃ危険かもしれない。
お前さえよければ助けにきてくれねぇか?
今俺達は黒曜ランドってとこに来てる。
んじゃな』


すると留守電が切れた。


「…どうやら、ゆっくりしてる暇はなさそうね」


紫姫はリボーンの話から、ツナの身に危険が迫っていることが分かった。
紫姫は急いで準備をすると6人と1匹と一緒に紅音のところに向かった。



「お母様!」
紅「あら、どうしたの紫姫あわてて」


紫姫は乱れた息をただすと話し出した。


「ごめん…私もう行かなきゃ…」
紅「!!」


紫姫の様子を見て紅音は表情を険しくした。


紅「…そう、綱吉君の身に何かあったのね」


全てを悟ったように目を閉じると紅音は紫姫に向かって微笑んだ。


紅「行きなさい紫姫、今のあなたなら綱吉君のことを守れるわ」
「!!ありがとうお母様!」
紅「でも紫姫、私の忠告を聞いてくれる?」


紅音は目を閉じるとそのまま話し出した。


紅「…薬研と太郎以外はおいていきなさい」
「ッ!!」
7「!!!」


紅音の言葉に紫姫たちは驚いた。


小「ど、どういうことですか紅音様!
なぜ薬研と太郎殿だけ…!」
清「そ、そうですよ!俺達だって主を守りたいです!」


小狐丸と清光が反論するが、


安「落ち着きなよ清光」
清「ッでも…!!」


安定が清光を落ち着かせた。


光「そうだよ2人共。
2人だって紅音様の能力のことは分かるよね?」
狐「悔しいですが、我々は待っていましょう」
鳴「(コクッ)」


光忠とお供にも説得され小狐丸と清光は俯いた。



「…わかった。それじゃあみんなの事預けてもいい?」
紅「もちろんよ」
「ありがとう…」


紫姫は紅音に礼を言うと薬研と太郎とともにその場を後した。







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