守り人

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翌日


朝食を食べ、ようやく本題に入った。



「それでお母様、私を呼んだ理由は?」
紅「実は、紫姫に渡したいものがあるのよ」
「渡したいもの?」



すると今まで笑顔だった紅音の表情が真剣な表情をした。



紅「紫姫、六条家の当主が代々6振りの刀を自分に仕えさせるというのは知っているわね?」
「えぇ」
紅「紫姫には薬研藤四郎、加州清光、大和守安定、鳴狐、燭台切光忠、小狐丸。
私には一期一振、前田藤四郎、堀川国広、蜂須賀虎徹、和泉守兼定、江雪左文字がいるわ」


紅音の言う通り、紫姫の隣には薬研をはじめとした6振りがいた。
しかし、紅音の隣には一期をはじめとし7振りがいた。


小「しかし…紅音様には7振りいます。
1振り…兄上が多いです」


そう、紅音の隣には6振りにほかに天下五剣の三日月宗近が座っていた。
小狐丸がそういうと紅音は微笑んだ。


紅「代々当主は最初に6振りの刀剣男士を授かるの。
そして…運命の時がくると、自分で資材の量を決め鍛刀するのよ」
「自分で…」


すると紅音は立ち上がった。


紅「紫姫、こっちに。
みんなはここで待っててちょうだい」


紅音は紫姫と一緒に部屋をでた。
2人が向かったのはどこか古い部屋だった。


紅「それじゃあ紫姫、この4つの資材の量を自分で決めて」
「…お母様はどれぐらいの量で…?」


紫姫が聞くと突然紅音が真剣な表情をした。


紅「紫姫、これは自分の直感でやるのよ。
直感でやらないと…今後乗り越えられないのよ」
「乗り越える…?」
紅「……綱吉君はボンゴレ10代目になったのでしょう?」
「…まだ候補よ」
紅「そう…
でも、この先綱吉君は辛い思いを何度もして、何度も乗り越えていくわ。
それは、彼の中に“超直感”と呼ばれるものが存在するからよ」
「超直感…」
紅「綱吉君が乗り越えるのに、紫姫は乗り越えないの?」


紅音がそう尋ねると紫姫はすぐに首を横に振った。
そして紫姫は資材の前に行き悩みだした。
その後ろ姿を見て紅音は微笑んだ。


紅「それじゃあ私は外で待ってるわ」
「うん」


紅音は静かに部屋を出たのだ。



「直感……」


紫姫は悩んでいた。



「多く入れるべきか…入れないべきか…」


紫姫は4つの資材を睨み付けた。


「(綱吉はこれからボンゴレ10代目としていろいろな壁にぶち当たる…
私はそれをただ…支えたいだけ…)」


紫姫はツナのことを考えながら無意識に資材の量を決めたのだった。


「お母様、決まりました」


紫姫が扉を開けてそういうと紅音が入って来た。


紅「それじゃあそこにいる鍛冶師に資材とこの札を渡して」
「うん」


紫姫は言われた通りに鍛冶師に渡した。
するとすぐに刀が1振りできた。


それは随分と大きな刀だった。


紅「紫姫、ここからが正念場よ」
「えっ?」
紅「自分で作った刀は、顕現させるために自分の妖狐の力を流し込む必要があるのよ」
「妖狐の…力…」
紅「これが失敗すると、この刀に眠る付喪神は闇に堕ち暴走するわ。
紫姫、付喪神を顕現させることはねそれなりの覚悟が必要なのよ」
「覚悟…」
紅「あなたにどれほどの覚悟があるか、見ものね」


紅音はそういうと紫姫の後ろに立った。
紫姫は紅音の視線を感じながら作られた刀の前に立ち手をかざした。
そして、



フォォォォォオッ



妖狐の力を刀に送った。




「ッ…!!!(な、んて…力ッ…体が…ふらつく…!!)」
紅「油断してるんじゃないわよ!!
そんなんじゃせっかくこの世に来てくれた付喪神が闇に堕ちるわよ!!」
「ッ!!」



紅音に言われ紫姫はふらつく体に喝を入れた。



「(私のせいで…闇になんか染めない…!!!
私の…大切な仲間に……なってくれるんだから…!!!)」



すると刀にかざしている手からこれまでにないほどの光が溢れた。


紅「!!(これほどの力がこの子に…!!)」



それは紅音も驚くほどだ。
そして、



「(覚悟なんて…とっくに決まってるわよ…
何があっても誰も傷つけない…私が…
守ってみせる…!!!)」



カァァァァァアンッ



「ッ!!!」
紅「!!」


鐘のような音が響いた。
紫姫の手から溢れる光るが全て刀に吸収された。
するとその場に光が溢れた。



ガクンッ



紅「紫姫!!」
「ッはぁ……はぁ……」


紫姫はその場に膝をつき肩で息をしていた。
紅音はとっさに紫姫のもとに駆け寄った。
その時、



?「おや、現世に呼ばれるとは」



前の方から声がした。
紫姫と紅音が顔を上げると大きな刀を持った大きな刀剣男士がいた。



?「私は太郎太刀。人に使えるはずのない実戦刀です」



刀剣男士、太郎太刀はその場に膝をついた。



太「あなたが私の主、ですか?」
「そ……う、です…」


すると太郎太刀は微笑んだ。


太「新しい主の覚悟…しかと受け取りました…
主の覚悟、見事でございます」
「た……ろ…」


紫姫は太郎太刀を見て微笑むとそのまま意識を飛ばした。
紅音は紫姫を見て優しく微笑んだ。


紅「良く頑張ったわね紫姫…お疲れ様」


紅音はそのまま太郎太刀を見た。


紅「私は紫姫の母親の六条紅音です。
どうか、10代目当主、六条紫姫をお願いします」
太「もちろんです」


太郎太刀も微笑むと刀を背中に背負い紫姫を抱き上げた。


紅「さっ、みんなにお披露目しないとね♪」
太「はっ」


そのまま2人は全員が待っているところに向かった。




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