守り人

□標的:3
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しばらくすると担任がはいってきた。


担「転校生を紹介するぞ。
イタリアに留学していた、獄寺隼人君だ」


転校してきたのは銀髪でいかにも不良感の出ている少年だった。
クラスの女子はかっこいいだとかで盛り上がっていた。



「(イタリア?嫌な予感しかしないわね…)」


紫姫は転校生を見ながらそう思った。
すると、


獄「チッ」
ツ「ッ!?!?」


転校生、獄寺はツナのところまで行くと見下ろし舌打ちをした。
そして、


ガンッ


ツ「うわぁあッ!!」
「ッ綱吉!?」


獄寺はツナの席をけり飛ばし、ツナを転ばせた。
思わず紫姫は声をあげた。
獄寺はそのまま無言で一番後ろの席に座った。
ツナは怯えた表情のまま席を戻し座りなおした。


男「ツナの知り合いか?」
ツ「し、知らないよ…」


するとクラス中で獄寺の話で持ち切りになった。


「(獄寺隼人…今日1日は注意してた方がよさそうね)」



紫姫は気づかれないように獄寺を見た。


山「なぁ六条」
「どうしたの山本君」


すると突然山本が後ろを向いてきた。


山「女子ってあーいうのが好みなのか?」
「は?」
山「ほら、クラスの女子盛り上がってるだろ?」


山本に言われ耳を澄ませてみれば、いつの間にかファンクラブができるほどまで話が進んでいた。


「さぁ?そうなんじゃない?
私は興味ないけど」


そう紫姫が言うと山本はきょとんとして笑い出した。


山「あはは!さすが六条!やっぱ他とは違うな!」
「…それ褒められてるのかしら」


山本の笑いのツボに紫姫は苦笑いを零した。


「そういえば、今日球技大会だったわね。
山本君出るの?」
山「おう、出るぜ」
「そう、頑張ってね」


そういうものの紫姫は獄寺から目線をそらさなかった。


――――――――――――――――――――



そうこうしている間に昼休みになった。


「ふぅ…」


紫姫は1人屋上で昼食を食べていた。
すると、


薬「大将は見に行かなくていいのか?」
「何を?」


いつの間にか紫姫の懐から出てきたのか薬研が紫姫にお茶をだしてきた。


薬「何って球技大会とやらだ」
「別にいいわよ。
綱吉のことだもの、最初はリボーンに頼って足蹴にされて出て恥をかいて、気合を入れ直したところでリボーンがもう一度何らかの方法で助けて、うちのクラスの勝利よ」
薬「ずいぶん先読みしてるんだな」


紫姫の考えに薬研は苦笑いを浮かべた。


「それよりも…獄寺隼人の方よ。
絶対に何かあるわ」


紫姫はお茶を飲むと空を見上げた。
すると、


薬「なんか大将に用があるのか?
リボーンよ」


薬研が水タンクの方を見てそういった。
すると、


リ「お前の使いはさすがだな紫姫」
「薬研は私の刀の中で索敵能力は一番高いの」


リボーンが水タンクの後ろから出てきた。
紫姫は薬研の頭を撫でながら誇らしげに言った。


「それで?私になんか用?」
リ「ちょっと俺に付き合え」
「?」


紫姫は首をかしげるとそのままリボーンについていった。




――――――――――――――――――――


連れてこられたのは校舎裏だった。


リ「お前はここから見てろ」
「見てろって何を…」


それだけ言うとリボーンはその場から離れた。
しばらく待っていると、


「!綱吉と…獄寺君」


ツナと獄寺が来た。


薬「どーも穏やかじゃねぇな」
「そうね…」


紫姫のいるところからだと2人の会話は聞こえなかった。
すると、


「!あれってダイナマイト?」


獄寺はどこからかダイナマイトを2つ出した。
すると木からリボーンが出てきた。


「…もう少し近づいてみましょう」
薬「そうだな」


2人は会話が聞こえるところまで近づいた。


リ「俺がイタリアから呼んだファミリーの1人だぞ」
ツ「って獄寺君ってマフィアなの!?」
リ「俺も会うのは初めてだけどな」


獄寺が来たことはリボーンの仕業だったのだ。


獄「あんたが9代目が最も信頼するヒットマン、リボーンか。噂は聞いてるぜ。
こいつをやれば俺が10代目になれるってのは本当なんだろうな?」
「!?」
ツ「はぁ!?何言って!」


獄寺の言葉にツナはもちろん、紫姫も驚いた。


リ「あぁ、本当だぞ」
ツ「そ、そんな!!
俺を10代目にするってのはうそだったのかよ!!」
リ「やられたくなければ戦え」
ツ「はぁ!?」


「なんてこと…」
薬「そう呆れてやんなって大将」


紫姫は頭を抱えていた。
そのまま呆れていたその時、


ドカンッ


「ッ!!な、なに」
薬「あの獄寺とかいう奴ダイナマイトが武器らしいぜ」
「まさか爆発させたわけ?」


紫姫が見ると獄寺がツナ目がけて攻撃していた。
紫姫が出ようとすると、


リ「お前は見てろ」
「!リボーン…」


いつの間にかリボーンが紫姫のところにリボーンがいた。


「…大丈夫なんでしょうね?」
リ「まぁ見てろって」


それだけ言うとリボーンはまたどこかに行った。
紫姫は言われた通りに成り行きを見守っていた。


ツナはただひたすら逃げていた。


ツ「だ、誰か助けて〜!!」


しばらく逃げているとついに追い詰められた。


獄「これで終わりだ」


獄寺がとどめを刺そうとしたその時、


山「何してんだツナ」
ツ「や、山本!?」
「な、なんで山本君がここに!!」


山本の登場にツナどころか紫姫も焦った。


「薬研、戻ってて」
薬「あいよ」


紫姫はそういうと物陰から出た。
ツナはというと素手で火を消そうとした。
が、なかなかうまくいくものでもない。


山「なんだこの遊び?
俺も混ぜてくれよ!」
「山本君!」


紫姫はとっさに山本の持っているダイナマイトを奪い遠くに投げた。
その時、


ツ「うおぉぉぉぉぉお!!!死ぬ気で消火活動!!!」
「綱吉!?」


いつの間にか死ぬ気モードになっていて素手でダイナマイトの火を消し始めた。


ツ「消す消す消す消す消す消す消す!!!」
「す、すごい…って関心してる場合じゃない!」


紫姫は背中の袋から木刀をだし、


「はッ!!」


ヒュンッ


かなりの速度で振り、ダイナマイトの火を消した。
それをみた獄寺はさらにダイナマイトの数を増やしてきた。


獄「2倍ボム!!」


倍の数を投げたが、


ツ「消す消す消す消す消す消す消す消す!!!」
「はっ!!」


ツナと紫姫によりすぐに消される。
悔しそうな表情を浮かべた獄寺はさらに量を増やしてきた。


獄「さ、3倍ボム…!!」


3倍の量を投げようとしたその時、1本のダイナマイトが両手からこぼれた。
そのまま他のもこぼれた。


獄「ジ、エンドオブ…俺…」


獄寺は自分の死を覚悟したが、


ツ「消す消す消す消す!!!」
「こんな量どっから出てくるのよ…!」


ツナと悪態をつきながらも紫姫が消していった。
そして最後の1本を消し終えたツナは死ぬ気モードが解けた。


ツ「はぁ〜なんとか助かったー」
「お疲れ様綱吉」
ツ「ってあれ紫姫!?いつの間に…」
「ついさっきよ」


紫姫は少し先が焦げた木刀を撫でた。
すると、


獄「御見それしました!!」
ツ「えッ!?」


突然獄寺が土下座してきた。


獄「あなたこそボスに相応しい。
10代目!この世の果てまであなたについて行きます!何なりとお申し付けください!!」
ツ「は、はぁ?」


あまりの変化にツナが戸惑っているとリボーンが現れた。


リ「負けた奴が勝った奴の下につくのがファミリーの掟だ」
ツ「掟?」


すると獄寺が1つずつ話し出した。


獄「いや、俺ははなっから10代目になろうなんて大それたことは考えておりません。
ただ、10代目がボスに相応しいかどうかを見極めるために試したかっただけです」
ツ「獄寺君…」
獄「でも俺は浅はかだった!あなたは俺の想像を超えたお方だ!
敵である俺を身を挺して助けてくれた!
獄寺隼人!一生あなたに命預けます!!」
ツ「そ、そんな困るって!普通のクラスメイトでいいんじゃないかな!?」


とツナは言うが、


獄「そうはいきません」
ツ「(こ、怖くて言い返せない…何なのこの状況…)」


獄寺のあまりの気迫に何も言い返せなかった。


リ「良くやったなツナ。
獄寺が部下になったのはお前の力だぞ。
今日のところは合格だ。俺の死ぬ気弾をあてにしなかったしな」
「(やっぱりあてにしなかったのね)」


予想通りの結果に紫姫は微笑んだ。
その時、


山「あはは!!ツナ!やっぱりお前おもしれーのな!!」
獄「んなッ!?」


山本がツナの肩に腕を増してきた。
それに獄寺は青筋を立てた。


山「俺も仲間にいれてくれよ!
ツナがボスな!!」
ツ「(ただのゲームだと思ってる!!)」


すると、


獄「おいコラ…10代目に馴れ馴れしくするんじゃねぇ…」


獄寺が山本に対して切れそうになると、



男「なんだあれ?」
男「だっせぇあのパンツ男」


明らかに不良の3人組がツナを馬鹿にしてきたが、


獄「早速お役に立つ時が来たようで」
ツ「え、えぇ?」


すると獄寺はダイナマイトを構え不良たちにあゆみよった。
そしてそのまま不良たちは獄寺にやられたのだった。





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