蒼き薔薇が散る時
□その執事 葬送
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数日後、教会にてマダム・レッドの葬式が執り行われた。
時雨も直接の関係は短いとはあれ同じ同業者と言うことで出席した。
何人のマダムを慕っていた人たちが悲しんでいたその時、
ザワ…ザワ…
教会がざわついた。
その理由は、
「!シエル…」
真っ赤なドレスを抱えたシエルがいたのだ。
シエルは周りの視線を気にせずそのままマダムの所まで行き、
ばさっ
そのままドレスをマダムの上に被せた。
シ「――貴方には白い花も地味な服も似合わないよ。
貴方に似合うのは情熱の赤。
地に燃えるリコリスの色だ。
アン叔母さん」
その時、
「あ…」
真っ赤なバラの花びらが降ってきたのだった。
シ「―――おやすみ
マダム・レッド」
マダム・レッドの葬式は静かに終わったのだった。
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