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□序章
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「・・・っなはずじゃ、」
膝を折り、地面に腕を付く。
足は、折ることしかできなかった。
腕は、地に付けるべき掌の代わり。
「右手・・・左足!!持ってかれた・・・!」
人は何かの犠牲なしに
何も得ることなどできないのだから
「うっ・・・、まだ皆に、逢ってないのに」
瞼を閉じればいつでもそこにいた。
彼らの笑顔が私は大好きで、
ずっとそこにいたいと思っていた。
それが、どうだろう?
「これじゃあ・・・帰っても、皆の役にたてない!!」
「ここ」に来て数年。
私は初めて、この地で涙を流した。
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