□構ってよ
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あー寒い。
冬は嫌いだ。
寒いのが大嫌いだ。
夏になれば暑いのが大嫌いになるんだけどね。
いやーそれにしても寒い。
今部屋の中なのにな、日向くん。
日向くんのお部屋はいつもこんなに寒いんですか?
エアコンはないのですか?


『日向くん、寒い』


「んー」



さっきからこれだけだ。
あれだよ、生返事ってやつ?
いつもはそんなことないのにー、たまにあるけど……。
相手にしてくれない。
まぁ、家行きたいって言ったのは私のほうだから、何も言えないけどさ……。
OKだすからにはもてなしてよね!!
私、日向くんの彼女なんですけど!!!



『日向くーん』


「んー?」


『なにやってるの?』


「んー…」



何やってるかなんて、見ればわかる。
武将フィギュアの整理をしてるんでしょ。
その変な武将さんと私、どっちが大切なのよ!!!
って言いたくなるけど言わない。
変ななんて言ったら日向くん、傷つくよね……?
って、構ってくれないやつでも気にしちゃう。

でもさすがに構ってほしいじゃん、彼女なんだから。
ほっとくなんてひどいよ。



『ひゅーうがくんっ』



構ってもらうために少し、ちょっかいをだしてみた。
フィギュアの写真がのってる雑誌(?)を奪ってみた。
どーだ、これで構ってくれる?




「うぉっ」



やっと「んー」意外の返事が帰ってきた!!

っておい、別の雑誌見てないでよ……。
こっち!!こっちを見て欲しいの!!!



『日向くん』



「ん」



『日向くん寒い』



「ん」



『この部屋寒い死んじゃう』



「んー?」



『日向くーんっ!』



ぜーんぜん構ってくれない。
私らしくないが拗ねてる。
と、急に首もとを掴んで顔を近づけてきた。




「なに?」



『え、あっいや……』



近いよっ!!!きゅ、急になにっ!!不意打ちはやめて!!!





「さっきからオレの名前連呼してたけど」



『だって………、日向くんが全然構ってくれないんだもん……!』



「構ってほしかった?」



『………うん』



なんでそんなこと言わせるんだ………っ///
嫌がらせなの?!



「へぇ…珍しい」



なーんでそんなにニヤニヤしてるんですか!
作戦だったんですか?!


『日向くんの馬鹿っ』



馬鹿!!彼女を怒らせておいて笑ってるなんて……………っ!!!と思っていると

キスをされた。
不意打ちはやめろと言ったじゃないか心の中でだがっ///




『…んんっ///』




「こーしてほしかったの?」



日向くんは悪い目で私を見つめる。



『ち、違うっ!!』



「あれ、違った?」



『……違わないけど』




「ほーら」


ほんと馬鹿!!顔がニヤニヤしてるっての!!!彼女にそんな恥ずかしいこと言わすな!!!




「あったかくなったでしょ?」




あ……ほんとだ。
恥ずかしさで顔あっつくなってる………




「エアコンなんていらねーだろ、オレで充分」



と言って抱きしめてくる。
エアコンなんかより全然あったまる。
これなら寒い冬も好きになれそうだな……////



『日向くんの馬鹿っ…///』
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