□適わないよ、あなたには
1ページ/10ページ

「風菜っち〜!!」

『あ、黄瀬くん!』

「風菜っち、会いたかったッス〜!」

と、黄瀬くんは私の手をとってはしゃいでいる。
まるで大きな、でも無邪気なわんちゃんみたいに。

『朝だって会ってるじゃん(笑)』

黄瀬くんは、学校が違うのにいつも、朝一緒に私の学校の前まで来てくれる。
反対の方向なのに……!
私のために(ただ黄瀬くんが会いたいだけかも…?笑)来てくれる。

「そーッスけどぉ………。本当は学校ん中でもずっと風菜っちと一緒にいたいんス!」

『私も、ずーっと黄瀬くんと一緒にいたいよ?』

「ほんとッスか?」

『本当に決まってるじゃん(笑)』

「風菜っちー!良かったッス!同じこと思ってたんスね♪
あ、風菜っち、今度の日曜空いてるッスか?」

『んー、空いてると思う!』

「そッスか!じゃあ、一緒に祭り行かないッスか?」

『お祭り……?』

めっちゃ行きたいけど……黄瀬くんはモデル、フライデーされるなんて事があったら責任取れないから……って、目立つ行事に二人で行くのは控えていた。
何より黄瀬くんのために。

「あ、大丈夫ッスよ?俺のことは。」

『本当!?』

「ほんとッス♪」

『やったぁ!!楽しみだな………♪』

「喜んでくれてよかったッス!」

『……もしも黄瀬くんに何かあったr……』

「大丈夫ッス☆」

『ありがとう…!』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ