夢
□適わないよ、あなたには
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「風菜っち〜!!」
『あ、黄瀬くん!』
「風菜っち、会いたかったッス〜!」
と、黄瀬くんは私の手をとってはしゃいでいる。
まるで大きな、でも無邪気なわんちゃんみたいに。
『朝だって会ってるじゃん(笑)』
黄瀬くんは、学校が違うのにいつも、朝一緒に私の学校の前まで来てくれる。
反対の方向なのに……!
私のために(ただ黄瀬くんが会いたいだけかも…?笑)来てくれる。
「そーッスけどぉ………。本当は学校ん中でもずっと風菜っちと一緒にいたいんス!」
『私も、ずーっと黄瀬くんと一緒にいたいよ?』
「ほんとッスか?」
『本当に決まってるじゃん(笑)』
「風菜っちー!良かったッス!同じこと思ってたんスね♪
あ、風菜っち、今度の日曜空いてるッスか?」
『んー、空いてると思う!』
「そッスか!じゃあ、一緒に祭り行かないッスか?」
『お祭り……?』
めっちゃ行きたいけど……黄瀬くんはモデル、フライデーされるなんて事があったら責任取れないから……って、目立つ行事に二人で行くのは控えていた。
何より黄瀬くんのために。
「あ、大丈夫ッスよ?俺のことは。」
『本当!?』
「ほんとッス♪」
『やったぁ!!楽しみだな………♪』
「喜んでくれてよかったッス!」
『……もしも黄瀬くんに何かあったr……』
「大丈夫ッス☆」
『ありがとう…!』