短編夢3

□shine
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笑いたい、暮らしたい







いつも側に、いときたいー…





【Shine】










「っ、うっ………

ふ、うぅ……」






同棲し始めて、もう結構な月日が経った。





俺が帰って来たのにも気付かず、キミは部屋で泣いてる。





『……どしたの』




後ろから声をかけると、ビクッと肩を震わせた。






「あっ…ごめ、


おかえり…っ」





俺に気付いて、慌てて涙拭いて笑うキミ。





決してその理由を、言おうとしない。





冬が、また追い越してく




キミはまだ、迷路のなか





強いフリで笑う横顔





伝えるコトバ選べずにいる…





「ご飯、食べた?」





俺が無言で首を振ると、




「じゃあ…今からつくるね、」





そう言って立ち上がった。





隠しきれない涙の跡が、悲しい。







ボクに、出来ることなんて




ただ、側にいることだけ






「ちょっ…」





『仕事で…なんかあった?』





キミが泣くっていったら、俺と喧嘩したときか、

仕事で失敗したときくらいだろ?





喧嘩した覚えなんかないし、キミはいつもどおり出迎えてくれたから……





『部長に怒られた?



大事な会議でしくった?』





俺の腕のなかでキミは首を下げる。





『な、話してよ』





なるだけ優しい声で、言えばキミは顔をあげた。





『俺、いつでもお前の味方なんだから』






そうさ、今は泣いてもいいさ



ホントの心…笑顔に気付くまでは






「、ふっ……!」




栓が外れたように目から涙を零し始めたキミ。





「わ、たしっ……

すごい大切な会議でっ、ミス、しちゃって…



私の、せいで…と、りひきっ…失敗しちゃって………っ、



部長に怒られてっ、どうしたらいいか分かんなくてっ」







『うん、うん…』





泣きながら話すキミの頭を撫でてやる。





「同僚、からもっ…



冷たい目で見られて…あたしっ、………っ」




『辛かった、な』





折れそうなくらい強い力で、キミをさらに抱き締める。





………少なくとも今日、会社にコイツの味方はいなかったんだ。




俺まで辛くなってくるけど、でも…






冷たい夜のなかで、闇が膨らんでも






ボクがキミをキミがボクを照らす、光になれればいい




不安が希望に、かわらなくても





あたりまえの朝が来ればいい








『……俺が、いるんだから。



いつでもお前のこと、心配してんだぜ?』





泣きながら上目づかいのキミに、少しドキッとしたけど。
今日はそんな感情は封印。





『辛くなったら、俺のこと思い出してよ。



なんなら、電話かけてもいいぜ?




なぁ、お前の"光"は、俺だよな……?』





言いたいこと全部並べて言ってやると、少しキミが笑った。






『な、なに、笑って』





「…っ、…ふふ。


なんでそんなに、クサい台詞ばっかり言うのよぉ…」





一瞬笑ったと思ったら、また俺の胸に顔をうめて泣き出した。





「ぐすっ……私、信じて、いいの?


いつでも味方で、いてくれるって…」






『だからさっきからそう言ってんじゃん』





ポンポンと背中を叩いて、キミが泣きやむまでそのままでいた。






前向こう、ボクだけの…サンシャイン




highとlowどんなときだって






笑いたい、暮らしたい。




いつも側に、いときたい






なぁ、それでもキミが不安ならさ、






『……俺、お前をいつだって守るから。



結婚、しないか』





左手の薬指で、キミと繋がっていられたら―…





歩こう、木々揺らすライフタイム




さぁ行こう!時まわりだした






俺はキミと、笑って、暮らして。





んでいつも、キミの側にいたいんだ。




END

 

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