色褪せた七色のキセキ
□Q01 黒子は僕です
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桜の花びらが舞い散る中、
大勢の人が新入生を自分達の部へ入部させようと大声を出していてとても騒がしい道を
僕は誰にも見られることなく歩いていると部活ブース案内板が視界に入り、この高校への入学動機でもある部のブースがどこにあるのかを見てみた
「……バスケ部はもう少し先ですね…」
そして今まで読んでいた本に目を戻し歩き出した
ここは誠凛高等学校、昨年できたばかりの新設校です。
この誠凛高校への入部動機でもあるバスケ部は新設1年目にも関わらず都内ベスト4に入るという実績があり、無名でもあるので僕の目的を果たすのにちょうど良い。
「………!!」
ちょうどバスケ部の隣にあるアメフト部のブースを通り過ぎたのでそろそろかと
顔を上げると一人の体格の良い男子生徒が目に入った。
その人は、目の前に野生の虎でもいるかのような迫力があり、かつての僕の光と一瞬重なり
僕は慌て目を瞑り、光を頭の中から追い払うかのように首を振った
ダメだ、もう決めたじゃないか…目的を果たすまで思い出さないと……
ゆくりと深呼吸をし、目を開き入部届けを書くため歩を進めた
「…志望動機は…空欄にしておきましょう……備考…」
とりあえず帝光バスケ部出身とでも書いておけばいいでしょう
一通り書き込んだ入部届けを再度間違いがないか確かめてから机の上におきその場をさった。
かつての光と同じ雰囲気を出している彼の後を追い…
そのすぐ後で僕の書いた入部届けが発見され騒がれたことを、僕は知らない…