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□真夜中
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いた、土門はいた
ベランダに。
「土門、何してるの?」
真夜中なので話す声も扉を開ける音も小さめに心掛けた
「あ〜…ちょっと起きちゃってさ」
「そっかぁ…俺と同じだね」
そう言いニコッと笑う
「なんかさー、夜中起きると必ず空見ちゃうんだよな〜」
「空?」
俺は空を見上げる
「なんていうか…なんとなく空の色とか空気とか気になるんだよな〜」
「へえ…」
「夜中ってちょっと寒いな〜とか、空気が冷たくて気持ちいいとか」
そう言われてみると、まあ確かに、と思った。
「いや〜………………なんか眠くなってきたなあ」
「そりゃあこんな中途半端な時間に起きればね…」
「あーあ、なんか眠いから寝ようっと」
土門がそう言ってベランダをでる
「俺も寝るわ」
そう言ってベランダの扉を静かに閉めた