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□きまりごと
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死にたくない


それが、最後の俺の望み。




「あと、何日?」

俺は彼に聞く。

「…三日。」

彼は俺に言う。

「なんで、俺なのかな。」

俺は聞く。

「運命だから。」

彼は答えた。




運命とはなに?

二つの文字が俺の脳内で暴れまわる。

嫌いなこの文字。

大嫌い。




「運命に振り回されるのは飽きたよ。」

ぽつり、そんな言葉を漏らす。

「仕方ない。お前しか居ない。」

彼は慰めるようにいう。

「なぜ、俺が死ねば皆が幸せになれる?」

頭がぐちゃぐちゃになった。

「この世界のきまりごとさ。」

わけわかんない。

「お前なんか、嫌いだ。」

本音を出した。

「それはどうも。」

呆れる。





「世界が廻っているのはなぜ?」

「それは、きみがいるから。」

「どうして、ないてるの?」

「かなしいからだよ。」

「どうして、かなしいの?」

「きみがいなくなってしまうから。」

「ぼくはなんでいなくなるの?」

「このせかいのきまりごとさ。」





過去にも、そんなことはあった。

千年、一万年…

長い年月はどこから来る?

それは………




「アリババ君!」

「うおっ、どうしたんだ、アラジン。」

「僕は君とずっと一緒に居たいよ!」

「ああ、当たり前だ!」



この世界の人々から。




end

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