BOOKLONG

□大地
1ページ/1ページ




盛大な音をたてて
何かが落ちる音がした。

なぜ、空の上から
人間が落ちてきた。

空の上には、
何もなかったはずだ。

亜人は何も言わず、
空を見上げた。

魔族は、
厳しげな眼で
落ちてきたものを、
見ているだけだった。


「…人間か。」


白いヒトは、
人間を見ていた。


「……お前は、誰だ。」


返事は聞こえないまま、
虚空に響き渡った。
















数日が過ぎた。
人間は目を覚ました。


「ここは、どこ?」


見慣れない景色に、
人間は戸惑いを隠せなかった。

そこに、白いヒトが現れる。


「ここは、大地。」


人間は、
怯えた。


「…アナタ、誰?」


ヒトは、
答えた。


「それは秘密さ。」

・・
少女は、言った。


「名前は?」


「ギラヒム。私は、ギラヒム。」


少女は、口々に声を出す。


「…誰?ワタシは、誰?」


ギラヒムは言う。


「記憶が、無いのか。

  …丁度良い、変えてやろう。」


ギラヒムは、嗤った。


「君は、オトコ。

  名前は…。」


「…?」


「                                                ”リンク“

         
                」


「リ…ンク?」


「そう、リンク。君は、リンク」


「…うん。」


「君は、人間。ワタシは、人間ではない。」


「じゃあ、なに?」


「魔族。君は知らなくていい。」


「まぞく?」


「そうだよ、まだ、分からないだろうけど。」


「うん。」











(ぼくは、りんく。)



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ