その他

□嫌だあぁ!!
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どうしてこうなった……
俺はただヒルダさんに会いたかっただけなのに

「おー、やっぱ似合うな」

「ふざけんなよ!!なんでまたこんなの着なくちゃなんねぇんだ!!」


そう、俺古市はナース服を着ていた

ふとヒルダさんに会いたいなぁと思い男鹿の家に行くと

目当てのヒルダさんはベル坊のおもちゃを取りに行っているらしく留守だった

代わりにいたのは満面の笑みで俺を男鹿の部屋に通してくれた男鹿の姉に疑問を抱きつつ
部屋に入る

そこには悪魔のような笑みを浮かべた男鹿と
天使のような顔で寝ているベル坊(まぁ悪魔なんだけど)がいた

そして手に持つものは今現在、俺の着用しているナース服だった
という訳だ

「つーか何でお前はこんなの持ってんだよ!!変態か!?変態なのか!!??」

喧嘩大好きであっち系の事には目もくれねぇくせに!!
なんで持ってんだよ!!

なんて思っていると
「ちげぇよバカ」

バコッ

「いってぇな!!何すんだよ」

「俺を変態だとか言うからだ。つーかこれ俺のじゃなくて姉貴のだ」


いやいや、誰でも男の幼なじみが男の俺にナース服を着させてるんだ

どっからどう見ても変態………
ってあれ?こいつ今なんつった?


「お、男鹿君?今この服誰のだって言いました?」

聞き間違いであってほしい

「だから姉貴のだよ」

聞き間違いじゃなかったー!!!

「は!?何で!?!?」

「うるせぇよ古市!!ベル坊が起きちまうじゃねぇか!!」

「あ、悪い……
てか何でお前の姉ちゃんこんなの持ってんだよ」

最初は文化祭などの衣装かと思ったが明らかに違う
サイズが俺にピッタリだ

こいつの姉が着たならばブカブカどころではないだろう

「姉貴は『いつか古市くんに着せたかったのよねぇ!』っつってたぞ」


「何で!?」

男の俺が着ても気持ち悪いだけだろうに

「『古市くんが着たら絶対に可愛いよねぇ』とも言ってたな」


………なんかもうこれ以上聞きたくない

けど取り敢えず経緯くらいは聞いておこう

「で、何で俺がこの服を着ることになったわけ?」

なにも前触れなく俺に着せろといった訳じゃないだろう

「んー?まず姉貴が『古市くんって女装似合いそうよね』って言ったんだよ」

……何か嫌な予感しかしないんですけど


「んで俺が、そういやぁこの前古市がナース服着てたけど結構似合ってたな
つって「ちょっと待て」」

「あ?なんだよ」

男鹿が不機嫌そうに此方を見る
話の腰を折られたからだろう

「な・ん・で・俺があんな格好したって言うんだよ」

そもそもあれはお前が原因じゃねぇか

「別に嘘ついてる訳じゃねぇしいいだろ」

良くねぇよ!!

って思いきり叫びたい
でも我慢だ!!俺!

ベル坊を起こして電撃食らうのはごめんだ

なんとかこらえた
「あーそうですね。で?何で俺がこれを着るはめになったんだよ」

「あ?あーそう言ったら姉貴が『何それ!!ずるいわよあんた!!ナース服貸すから古市くんの写真とってきて!いいわね?
あ、サイズなら大丈夫よピッタリなはずだから』」
てな流れでこうなっているという訳だ
分かったかね?古市くん


なんて男鹿は話しているが正直それどころではない


え?なに?そんな理由で俺は女装させられてんの?
てか何で俺のサイズ知ってんだよ!


なんて悶々と考えていると パシャ なんて音が

……ん?パシャ?

音のした方を見るとそこにはカメラを構える男鹿

「な、何撮ってんだよてめぇ!!」

うっわ、最悪だ
女装撮られた
絶対俺顔真っ赤だ

うわ泣きそう。てか泣いてもよくね?

パシャッパシャッ

「ちょっ、何だよ!!撮るなって!!」

「いや、顔赤くしてる古市かなり可愛いぜ」

「嬉しくねぇんだよバカ!!!!」


その日俺は結局こいつに数十枚の写真を撮られることとなった


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