弾丸論破

□強がり幼馴染と左右田4
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あいつが話しかけなくなって1週間もたった


私はあいつがいない日常に早くなれるようにしようと毎日必死だ


『ふぅ・・・』


課題を終わらせ、一息つくとふとあいつの姿が目に入った



「ソニアさーん!一緒に帰りませんか」


「田中さんどこですかー?」


「まさかの無視ですか!?」



またやってる・・・

あいつは私に話しかけなくなってから前よりソニアさんに話しかけていた


私という邪魔な存在を気にしなくならずに済んだから自分の恋に夢中になってるのだろう


痛む自身の心を無視した


「左右田ーもう諦めたらどうだ?」


「うっせ!諦めてたまるかソニアさーん」


そういってあいつはソニアさんを追いかけていった

そんな姿を見ていたくなくて視線を逸らした


『・・・帰ろうかな』


「おい」


『びっくりした・・・何か用?田中』


さっきソニアさんが探してたわよ、とさりげなくいうも無視された


田中は無言で私の前に日誌を置いた

そこでようやく気付いた


『今日の日直私と田中だったっけ』


「そうだ」


『そっか、ごめん忘れてた』


鞄の中にしまった筆箱を取り出し、日誌を書くために椅子に座るとその向かいの席のイスに田中が座った


『・・・先に帰ってもいいわよ?忙しいでしょ』


「さっさと終わらせるぞ、俺様は忙しい」


どうやら任されたことは最後までやり遂げるらしい

田中らしいっていったららしいわね


「貴様はあの雑種との契約を破棄したのか」


『雑種って・・というかべつにあいつとは付き合ってないわよ』


「フンッ、己が心中に気付かぬふりをするか・・それもいいが壊れるぞ、貴様自身が」


『私が仮にそう想っていてもあっちはそう想っていないわ』


「なぜわかる」


そんなの・・


『私だったらこんな女と付き合わないわ』


「奴の心を勝手に決めつけるのか」


『それ以外にありえないからいっただけよ』


「・・・哀れだな」


『・・知ってるわよ、そんなの』


哀れだなんて自分が1番よく知ってる

だからこそ、こんな私なんかにあいつが惚れるわけがない


 

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