弾丸論破

□強がり幼馴染と左右田3
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次の日、幼馴染のことが気になりながらもなんでもないような風に登校した


下駄箱を開けるとそこには大量のごみがはいっていた


私はいつも早い時間に登校してしまうので時間を持て余していたが、今日初めて早く登校してよかったと思った


早急に入っていたごみを捨てその奥にはいっていた上靴をはき、教室へ移動した


『ふぅ・・』


とりあえず、勉強でもしようかしら・・


そう思い机の中を漁ると小さい封筒を発見した


『・・・これまた古風ね』


ラブレター・・なわけないわよね

中身を読んでみるとそれは30分に屋上にくるように、という趣旨の手紙だった


『しょうがないわね』


私は仕方なく屋上に向かうことにした


「・・・・」


屋上に向かう姿を誰かに見られてるとも知らずに



普段は立ち入り禁止のはずの屋上の鍵はなぜか開いており、中にはいると3人の女子がいた


この子たちが私に手紙か・・・話したことない子達だし、きっと私への文句に決まってるわね


『なにかようかしら』


「あんた、うざいんだけど」


こういうことは中学のころによくあったことだったから特に悲しんだりはしないが

1年に3,4回はあるものだからいい加減にしてほしい


『はぁ・・・それだけ?』


「その態度がうざいっていってんの!」


『だから?嫌なら関わらなければいいじゃない』


「視界に入ってくるのよ、学校に来ないでもらえる」


もはや命令ね・・


「それとこの子、左右田くんのことが好きなの」


は?なんでそんなこと私にいってくるのよ

というか、あいつでもモテるのね


「わかる?あんたが邪魔なの消えてくれない」


『あいつが好きなら勝手に告白したらいいんじゃない、私には関係ないわ』


「どうしてあなたなの・・・」


『は?意味分からないわ』


まるであいつが私のことそういう風にみてて、それでこの子が告白する勇気がでないみたいじゃない


「どうしてあなたみたいな人なのよ!」


そういって私の頬を叩こうと腕を思いきり上にあげた

怒りで頭に血が上っているみたいね・・まぁ、このくらいなら避けられなくも


「やめてくんねーかな」


避ける前に私の前には見知った後姿が私をかばっていた


「そ、左右田くん」


『・・・・』


どうしてあんたがいるのよ、いつもは遅刻すれすれじゃない


「悪いけど、こいつに手出さないでくんないかな」


後ろ姿しか見えない私にはこいつがどんな顔をして彼女たちにいったのかはわからなかったけど、きっといい顔はしていない


だって彼女たちはすごく脅えた顔をして逃げていったから

こいつのことが好きっていってた女の子に至っては顔が青白くなってた



「なにやってんだよ、ほいほい呼び出されてよ」


『別に初めてじゃないし、大丈夫よ気にしないで』


そう、アンタが気にすることじゃない

これは私の問題なんだから


「初めてじゃねーって・・・なんでいままで俺のこと呼ばなかったんだよ!危ないってわかりきってんじゃねーか」


『アンタには関係ないでしょ』


この言葉はダメ

こいつを傷つける言葉だってわかりきってるじゃない

なのになんで私の口は私の言うことを聞かないのだろう・・


「・・・あーそうかよ、邪魔して悪かったな」


そう言い残しあいつは出ていった

出ていく時のあいつの顔はひどく歪んでいてすこし泣きそうだった


『じゃあ・・どうすればよかったのよ』


頼るなんてプライドが邪魔してできなかった

ばれないようにいままでやりすごしてたのに


『なんでなのよ』


私は泣きそうになるのを必死に我慢するために唇を噛み締めた


 

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