弾丸論破

□強がり幼馴染と左右田2
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「和一ちゃんと喧嘩しちゃったんスか?」


クラスで一番仲の良い唯吹には、相談しなくてもばれてしまった


『別に喧嘩なんてした覚えはないわ、向こうが勝手に怒っただけよ』


仲の良い相手にもこんな態度

唯吹以外の人は私なんかと話したと思わない


「でも和一ちゃんが怒るきっかけを作ったのは姫ちゃんっスよ」


『知らないわ、というかそのあだ名はやめてっていったでしょ唯吹』


何回言っても姫っていうあだ名で呼ぶことをやめない唯吹

姫って柄じゃないのに・・・


「えー、姫ちゃんは姫ちゃんっスよ!強がってる辺りが余計にそう見えるっス」


『強がってなんかないわ』


ちがう


「どうみても強がって『強がってなんかない!!』・・姫ちゃん?」


ちがうのよ


『あ、ごめんなさい・・』


思わず立って唯吹に怒鳴ってしまった

心を落ち着かせるために私は座りなおした


「姫ちゃん、素直になるっていうのも1つの手段っスよ」


「唯吹ちゃん行こー」


教室の扉から唯吹の名を呼ぶ小泉さん

どうやら今日は彼女のグループと遊ぶらしい


「あ、ちょっと待っててー姫ちゃんもどうっスか?気晴らしに」


『私はいいわ、まだ課題とか終わってないし』


それに小泉さんのグループには西園寺さんと罪木さんもいる・・

西園寺さんとはそれほど仲良くないし

罪木さんに至っては話したこともない、彼女すぐに泣きそうだし私の性格上関わりは持たないほうが得かな


「はー真面目っスね・・・それじゃあまた明日!」


『ええ、また明日』


唯吹はそう言葉を残すと鞄を持ち急いで小泉さんの元に駆け寄り仲良く会話をしながら去っていった


いつのまにか1人になっていた教室に字を書く音だけが響いている


『素直になれ・・か、できたらとっくにやってるわよ』


そんな言葉を拾ってくれる人は誰もいなかった


 

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