短編

□Non posso fare a meno di amarti.
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「あれリーダーは?」

ひょっこりと顔を出したメローネがアジト内を見渡す
アジトにあるボロボロのソファにはギアッチョが座っている

「知らねーよ!俺が知るわけねえだろうがクソックソッ!」

机を蹴り上げる音にメローネはやれやれと苦笑いを浮かべる
メローネが部屋に入るとすぐあとにプロシュートが入ってきた

「…居るのはてめーらだけかよ、リーダーは?」

どうやらプロシュートもリゾットを探しているらしい
居ないことを告げると端正な顔を少し歪めた

「報告に来たってのにいねーのかよ。何処行った?」

「さーねオレも知らないんだよね」

パソコンを置いてある机の椅子に腰掛けようとしたときメローネはある物に気が付く

真っ白な封筒に"リゾット・ネエロ様へ"と女特有の可愛らしい文字が書かれている
後ろを見ると女の名前がしっかりと書かれていた

「お?…おぉ!オイこれ見ろよ!リーダーにラブレターだ!今時ラブレターなんで…ディ・モールト可愛いね!」

騒ぎ立てるメローネの傍にプロシュートとギアッチョ寄ってくる
メローネがニヤニヤとしながら個人情報を無視しリゾット宛の手紙を開けた





"リゾット・ネエロ様へ"

久しぶりリゾット
貴方が18歳の時に街を出てった以来かしら
ずっと昔に送ってくれた手紙の住所に送ったけど届いているか不安ね
この際届いても届いていなくても良いわ
大事な事だからこの手紙を書きます

私結婚するの
もう良い歳だしね

私10年待ったじゃない?
もう良いかなって
別に貴方を待ってる10年間寂しかったけど苦痛じゃなかったのよ

貴方だって綺麗なお嫁さん貰っててもいい歳なんだから…
と言うよりもうお嫁さんいるんじゃない?
私の住所知ってるんだからお嫁さんがいるなら一緒に写真撮って送ってきなさい!

"ナマエ・ミョウジより"


日付はつい数日前だ


「……あららー」

「ラブレターじゃねえじゃねーか」

「くだらねえ!」

シンとアジト内が静まり返った


「これは迎えに行ったとしても幸薄だなぁ」

「バカかメローネ!あの仕事男のリーダーが迎えに行くと思うか?!」

ギアッチョの言葉にメローネとプロシュートは思わないと口を揃えて言った



「それにしても連絡も寄越さない男を10年も待つなんて救いようのない馬鹿女なのか一途過ぎるのか…全くイイ女じゃねーか」

ククッと喉を鳴らして笑うプロシュートはメローネから手紙を奪う

「で、リーダーはどうしてんのかな?」

「迎えに行くはずがねェからなどうせ急ぎの依頼とかじゃねえか」

「じゃあさリーダーが帰ってきたら慰め会開いてやろーぜ!」

「めんどくせえ!!」

「面白そうだから俺は参加するぜ。もちろんペッシも参加だ」

「俺も参加ー。ギアッチョは不参加?」

「っ誰が不参加だっつったよ!クソが!」

ギャーギャーと騒ぐギアッチョを余所にプロシュートは他のメンバーに招集を掛けるべき携帯を取り出すのだった




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