ステッラカデュート ブック

□03
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「キャー!」

女の人の悲鳴が後ろから聞こえ振り返ると女の人を突き飛ばされていた
女の人のものであろう買い物鞄を掴んで此方に走ってくる男が目に入った

学校からの帰り道にこんなサプライズいらないのだが

見たところ身長175cmぐらいでガタイが良い
だがいつも見ている男に比べれば身長のデカさもガタイの良さも凄みもない

横を通り過ぎる瞬間自身のスタンド リナッシェレヴィータの腕だけを呼び出し引ったくり男の喉仏に向かって腕を振った
鈍い音が聞こえたと同時に男は後ろに音を立てて倒れる
泣きながら喉を押さえ息も絶え絶えに地面でもがいていた
男が落とした買い物鞄からは夕飯の材料だろう食品が散らばってしまっている
砂を払いながら買い物鞄に戻し立ち上がるとなまえは見下ろした

「あらごめんなさい?少し当たり所が悪かったみたいね…首の骨は折れてないから大丈夫よ。ひとりで病院に行きなさい」

力の無いリナッシェレヴィータでも男が全力で走り抜ける瞬間にラリアットを決めればダメージになることを知ったなまえは少し満足そうだ

もがき苦しむ男の横を通り過ぎる
引ったくりにあった女性はその場で腰を抜かしているようで動かずにいた


「お姉さん大丈夫ですか?」

「え…えぇ大丈夫。貴女こそ怪我はないかしら?」

「私は大丈夫です」

綺麗な女性だった
日本人の顔立ちではない
外国の方だろうが凄く日本語が上手だ

地面に座らせたままではいけないと女性に手を貸し立ち上がらせた
よかった、怪我は無いようだ


荷物を渡そうと差し出せば突然手を握られた
ビクッと肩を揺らせば女性は目をきらきらさせながらグイグイ近付いてくる

「お願いお礼させて!」

「いえ…お礼なんて」

「ダメよ!ダメダメ!お礼しなきゃ気が済まないわ」

手を離され次はなまえの右腕に抱きついてきた
どうやらお礼の件を承諾しない限り離す気はないらしい
なまえは苦笑いを零した


「じゃあ…少しだけなら」

「やった!じゃあ私のお家にきて。お茶をご馳走するわ!」

ニコニコと笑う女性になまえも釣られて小さく笑った

「あら…貴女笑った方が可愛いわ!」

「はぁ…ありがとうございます」

「そう言えば自己紹介がまだだったわね、私ホリィって言うの。でもみんな聖子さんって呼ぶから貴女も聖子さんって呼んで!」

「分かりました聖子さんですね。私はなまえって言います」

可愛い名前ね、とニコニコしながら笑う女性に少し"母"と言う存在を感じたなまえは胸が暖かくなった








「それにしても…貴女どうやってあの男をやっつけたの?」

「…少し肩が当たった時には石に足を取られたんでしょうね、勝手に転けて怪我しちゃったみたいです」

ニッコリと張り付けたような笑顔を浮かべるとホリィはなるほど!と無理がある説明で納得してしまった

「それにしてもなまえちゃんに怪我がなくて良かった」

「聖子さんにも怪我がなくて良かったです」

「ふふっ優しい子ね!貴女みたいな子大好き!」

気に入られたようでずっと寄り添うように足を進めている
暫く歩けばホリィが指を指した

「あそこが家なの」

the日本家屋と言わんばかりの門構えに度肝を抜かれる

「で…かい…ですね」


なまえはまた苦笑いを零した




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