短編

□Non posso fare a meno di amarti.
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時間が惜しいとウェディングドレスを来たまま逃げるように教会から出たナマエの心は晴れやかだ
リゾットと絡め合うように繋いだ手に顔を綻ばせる

「良く約束覚えてたよね」

「あの約束を忘れたことは一度もない。あの約束は俺から取り付けたものだからな」

「あぁそう言えばそうだったわね」



10年前のリゾットが故郷から出て行く日、リゾットはナマエを呼び出し約束を取り付けたのだった

「"いつか俺が戻ってきたら一緒になろう"」

「ふふっ…こんなに待たされるとは思いもしなかったけど貴方を待ち続ける日々が過ぎる度にリゾット…貴方が恋しくて仕方がなかった」

「"俺にはお前が必要だ"」

「私には貴方が必要よリゾット」

10年前と同じプロポーズ
絡め合う手が暖かくて恋しくて愛しくてたまらないのだ


「愛しているナマエ」

「愛してるわリゾット」




リゾットはアジトへ帰る道すがらこの10年の経緯を話した
ギャングになり今は暗殺を生業にしている事
仲間が沢山いる事
今向かっているのは自分の潜伏先だと言う事

「あら、良いじゃないギャングの妻なんて肩書き素敵だわ!」

「…相変わらず肝が据わっているな」

流石だとリゾットは小さく笑う
これから危険を伴う生活をするというのに彼女の物怖じしない性格には賛美を送りたい
そっと髪を掻き上げ額にキスをし10年分の愛を取り返すかのように2人は寄り添い合う


「愛してるわリゾット」

「愛しているナマエ」

何度目かも分からない愛の告白に見つめ合い笑うしかない
お互いの手をギュッと握り2人の未来へと歩き出した














アジトへ戻りナマエを見たメンバーは心底驚き、メローネ企画の慰め会はお祝いの酒盛りへと変わるのだった


2012.08.14



Non posso fare a meno di amarti.
(君を愛さずにいられない。)

10年もアジト同じ場所に構えてたら危ないよねって気が付いたのは書き終わった後だった←



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