君色
□…第3話…
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「普通の女子だったらホラー番組なんて見たら怖がるに決まってんだろ」
「はぁ?それはアンタの頭の中のイメージでしょ」
「そうだとしたら、お前は例外だな」
「例外ってなによ」
ああ…またこんなどうでもいいことでケンカになる。
幼い頃から一緒にいるのにいつも歪み合い、ケンカをしている。
仲が悪いわけではなく、互いに嫌っているわけでもない。
むしろその逆だ。
いつしかオレは雛子に好意を抱くようになっていた。
皮肉しか言わない彼女のどこに引かれる自分がいるのかと不思議に思うが自分でもよくわからない。
自問自答を脳内で繰り返してるオレの横で雛子が腕を組ながら言う。
「大体、経験したことなんてないけどテレビでやってることなんて非現実的じゃない」
それを聞いたオレはあることを思いつく。
もしかしたら雛子は見ているだけじゃなくて、実際に、体験させたら怖がるのではないかと。
「じゃあさ、今度の日曜日に遊園地行こうぜ」
「なんで遊園地?」
「遊園地だったらお化け屋敷があるじゃん」
それを聞いた雛子の顔が強ばる。