*Dream*
□エンドレスサマー。
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8月下旬、まだまだ明るい部活後の帰り道。
「坂って走りたくならないッスか?」
そう言って、坂をかけてく。
坂を下りきった君は、私に手を振る。
私も急いで坂を下り、手を繋いで帰り道デートを再開する。
二人で空を見上げて、つまづきかけて。
下らない事で笑いあって。
風がそんな私たちのざわめきをさらったら、涼太はそっと私の名前を呼んだ。
「名無しさん」
その声を聞いて、いつまでも、このままでいたい、そう思ってしまう。
この思いを伝えられなくても、それでも、この瞬間がはじけるように、溢れ出すこの思い。
君が好き、この思いは届いていますか?