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□自分好み
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U−17合宿所の自身に当てられた部屋で
不二は呆然と腰掛けていた。

不二の真後ろに居る白石は、
彼の髪を解かしている。

前には幸村が跪き、不二の爪を磨いていた

どちらも一心不乱である。


「ねぇ・・・2人共、何してるの?」

「不二くんを綺麗にしとんねん」

「今より、もっとね」


何の為に?

そう聞きたかった不二だったが、
下手に言うと面倒臭い事になりそうで
成すがままでいた。

この2人はいつも、
不二の言う事は聞いてるようで聞いてない


「よっしゃ、完璧や。
サラッサラの出来やで」

「こっちも完成。艶やかで良い感じだ」


こんな事して、一体何が楽しいのか・・・

不二には全く理解が出来ない。


「ねぇ、時間は平気なの?
部長ミーティングがあるんだよね?」

「あっ!ヤバい!!」

「うわっ、遅刻やで 幸村くん!」

「じゃあ俺達は行って来るけど、
寝ないで待っててね」


慌ただしく出て行った2人を見送り、
不二は溜め息を1つ吐いた。


「疲れる・・・」


幸村はともかく、
白石はマトモな印象が強かっただけに
疲れも倍増する気持ちである。

いや、「エクスタシー」などという口癖があるのだからマトモではないか・・・
 
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