立海×

□バランス
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不二は2人の男から告白をされた。

それも同時に・・・

返事はまだ、していない。



「ねぇ、不二」


隣の席から菊丸が話し掛ける。


「いいの?」

「何が?」


菊丸の問いかけの意味が判らず首を傾げると、黒板を指差された。

どうやら考え事をしている間に
学園祭の出し物が決まったらしい。

黒板には〔コスプレ喫茶〕と、
書かれており・・・


「え?・・・嘘!?」

「聞いてなかったんだね、俺 知〜らない」











学園祭 当日

不二は自分の姿を鏡で見て、
ガックリと項垂れた。


「我ながら似合ってんじゃない?」


半ばやけくそだ。

黒いゴスロリファッションに身を包み、
開始前から、何だか疲れた不二であった。

開始時間になり、不二は更衣室として
区切られていたスペースから出た。

途端、上がる歓声に足を止める。


「不二くん、可愛い!」

「スゲー似合ってる!!」


褒められても嬉しくないが開き直って
ニッコリと微笑みながら「有り難う」と言う

厨房係の菊丸が傍に寄って来た。


「鉄壁スマイルはどうしたにゃ?
頬が惹き付ってるよん」
 
「コスプレ喫茶とは聞いてたけど、
女装喫茶とは聞いてなかったよ」


菊丸は「コスプレだって」と、
苦笑しながら厨房に入って行った。
 
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