Challenger!!

□4挑戦:I would be catch by you.
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「………………………………」

「俺は話すのが苦手なんだが……この状況は俺の苦手とは関係ないな。そのクッキーは君が作ったのか?よく、できてる」

「ありがと……お袋の誕生日だからさ。友達に教わったんだ。買い込んだ材料の半分が消し炭になったけど美味くできた。お袋は“ありがとう”って言って受け取ってくれたけど、食べずにテーブルの上にずっとあった。湿気って美味くないけど、こっちなら食えるかなって考えてさ………笑っちゃうよな」

「……ああ、笑える。
時間を戻さなくても美味い。消し炭になったやつも俺が作るよりは美味いだろうな」

「っ………グレイ。一カ月も放置してたやつだぜ。腹こわしても知らないからな」

「その時はナイトメア様と一緒に入院するか……お見舞いには来てくれるだろ?その時は美味いものを持ってきてくれ。ナイトメア様じゃないが病院食は、な……」

「グレイは本当にいい奴だよな!オレ、ケーキを作るのは得意だぜ!!今度はグレイに特大のウェディングケーキ作るからな!!大丈夫だって、ユリウスに作ったけどうまかったもんな………どっかの腹黒に食われたけど」

「楽しみに待っている」

「おう!
んじゃ、オレはお袋が呼んでるから帰るな!!」







なあ、母よ。
オレはあなたに愛されたいわけじゃない。
こんな風に笑ってほしいだけ……。







「また、帰るのか?」
「オレは精一杯、自己主張しないと誰もオレに気づかないんだ。オレの母親はこの世界の役なし。オレは役なしと余所者の娘だ。意味を手に入れてしまった母は役なしを思い出させるオレが嫌いだっただけ。それだけだから帰る」
(君の隣で泣くのにチャレンジ!!)



 

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