Challenger!!

□1挑戦:I have words to want to tell you.
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「やるなら早くしろよ。俺も暇じゃねえんだからさ。最近はすっげえ、忙しいし……あっ、悪い。あんたの辞書には“忙しい”って単語はないんだっけな」

「うるせー!!オレの頑張りを邪険にすんな!!っつーか、“忙しい”くらいあるわ!!オレの辞書は欠陥品か!!バカにすんな、歩くウサギが!!」

「ウサギは歩くだろうが!!それに俺はウサギじゃねえ!!このイかれ娘が!!」

「いででででで!!痛い。痛いってば!!オレのほっぺが千切れる!!………痛い。伸びたら責任とれ」

「おう、責任とって嫁にもらってやる。
……んだよ。そのこの世の終わりのような顔しやがって」

「するわ!!誰が好きでウサギと結婚するか!!………時間帯が変わったよ。さっさと、仕事に行け。しっ、しっ」

「んなもん、すぐに終わるから遅らせる。人があんたのためにだまーって待ってるんだ。さっさとしろよ」

「だから頑張っているんだろうが!!畜生!!別世界にいるお父様!!助けろや!!どうせおかんといちゃついてるんだろうけどさっ………うわー、予想じゃないと確信できる自分が悲しいぜ」

「無理しないで次の機会にするっつーのはどうだ?」

「んー……エリオットはもう行っていいよ、ありがとう。
ボリス当たりに頼むから大丈夫。無問題(モウマンタイ)だよ」

「何語だ?」

「中国語だよ。問題ないってこと。明らかに大丈夫じゃなくて使う奴もいるんだよ」

「駄目じゃねえかよ。
んじゃあ、俺は行くけど……ってか、あんたは今度はなにをしようとしたんだ?また“チャレンジャー”って叫びながら俺の耳を引っ張るしよ。いい加減にしろ」

「手頃な位置に弱点があるエリーが悪い。
どうせ、向こうの世界じゃなんもできない小娘ですよ。毎回、毎回こっちに来る度にチャレンジャー精神を働かせて悪うございましたねっ。けっ。どうせオレはチャレンジャー精神満載の馬鹿ですよ!!ばーか、ばーか」

「エリーじゃねえよ。ピアスと同じ呼び方すんじゃねえ。別に悪いとは言わねえがさっさと終わらせろよ。自分に向かって馬鹿言う……俺に向かって言ってんのか?よし、頬を出せ。………謝るってるっつーことはそうなんだな。後で覚えてろよ。
で、マジで今回はなにをするんだ?顔が赤くなったり、一人で慌てふためいて……」

「謝るからマジでほっぺはやめて。痛みを通り越して危ない世界へダイブしちゃうから。
今回は……愛の告白を。
親父がさ“おまえも恋の一つや二つ、無量大数単位ぐらいはしてみろ”っつーからさ。憧れの先輩を校舎裏に呼び出したんだ。そしたら“命だけはお助けを!!”って泣かれたんだよ!!なんだよ、畜生!!ちゃんと手紙に果たし状って書いたのによ!!
……エリオット、何してんだ?なんか仕事いく気ゼロじゃねえ?椅子なんか座ってさ……」

「あんた、告白するんだろ?俺が付き合ってやるよ」

「仕事はどうした、仕事は?いきなり働くウサギさんからニートウサギに転職か?この前習った、有機物分野の銀鏡反応並に変わり映え早すぎるよ。知ってるか?奴らは混ぜたとたんに容器に銀を張り付けんだぜ。って、こんな話をしてる場合じゃない。………なあ、エリオット」

「やっと言う気になったか?」

「……なんでそんなに嬉しそうなんだ?」





大好き。愛してる。
オレにそれを言うチャンスを、勇気を。






「……嘘ならずっと慌てふためくあんたを見ていたいよな」
「んだよ、それ?」
(愛の告白にチャレンジ!!)


 

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